こんにちは、Re・maison(リ・メゾン)の梅田です。
相続した土地や空き家の相談で意外と多いのが
「袋地(無道路地)だった」というケースです。
「家屋調査で“再建築できません”と言われた」
「売却しようとしたら“道路がないので難しい”と断られた」
「そもそも相場が分からない」
こうした悩みは非常に多く、
袋地は一般の土地とは全く違う売却難易度になります。
結論から言うと、
袋地でも売却は可能。ただし“売却先・売り方”が通常の土地と違う。
接道を確保できるかどうかで価値が大きく変わる。
この記事では、
袋地が売れにくい理由、
どのように売れるのか、
解決策や相場の考え方まで、
実務ベースでわかりやすく解説します。
1.袋地(無道路地)とは?
袋地とは、
幅4m以上の道路に接していないため、建物の建築・再建築ができない土地
のこと。
建築基準法上、道路に2m以上接していないと
建物を建てられない「接道義務」があるため、
袋地は原則として“建築不可”の扱いになります。
原因は次のようなケースが多いです。
昔の分筆で通路を確保しなかった
祖父母世代からの相続で権利が曖昧
私道所有者が失踪、承諾が得られない
旗竿地の竿部分が欠けてしまった
袋地は“不動産の中でも特に扱いが難しい土地”といえます。

2.なぜ袋地は売れにくいのか
袋地が市場で敬遠される理由は明確です。
■ ① 建築ができない
買主の選択肢が圧倒的に減る。
■ ② 利用用途が限られる
駐車場や物置など、収益性が低い活用が中心。
■ ③ 換価価値が低く、ローンが組めない
担保価値が低いため、買主は現金購入する必要がある。
■ ④ 権利関係が複雑
通路の使用権、私道の承諾、相隣関係の問題が出やすい。
■ ⑤ 売却期間が非常に長くなることがある
一般市場では滅多に買手が見つからない。
袋地は“売れる条件が揃っていない”ことが多く、
売却には専門的な判断が必要です。

3. 袋地の売却方法
袋地を売る方法は大きく4つに分かれます。
■ ① 隣地に売る(もっとも成立しやすい)
袋地は 隣地所有者が最有力の買主 です。
隣地を広げたい人にとっては価値が高い。
■ ② 持分や通路を買い足して“接道”を確保する
接道義務を満たせれば、袋地から“一般の宅地”として売れる状態に変わります。
方法の例:
私道の持分を購入
通行・掘削承諾を取得
隣地の一部を買い足す
接道を確保できれば価格は大幅に上がります。
■ ③ 買取業者に売る(スピード重視)
袋地専門の不動産買取業者は、
再整備して価値を上げるノウハウを持っています。
■ ④ 資材置き場・駐車場として運用
売却せず“活用”に切り替えるパターン。
袋地は“誰に売るか”が最重要ポイントです。
4.袋地の相場はどう決まる?
袋地の価格は、一般的な宅地相場とは全く違う基準になります。
■ ● 一般相場の20〜40%になることが多い
建築不可のため価値が大きく下がる。
■ ● 接道確保できるかどうかで価値が変動
接道できれば相場に近い価格で売れる可能性も。
■ ● 隣地の“必要性”で相場が上がることがある
隣地がどうしても欲しい場合、
袋地が高額で売れるケースも実際にある。
袋地は “需要と可能性” の掛け算で価格が決まる特殊な土地 です。

5.売れないときの現実的な対策
袋地は市場に出しても簡単には売れません。
そのため次の対策が効果的です。
■ ① 隣地への売却交渉(最優先)
隣地所有者は袋地に最も価値を感じています。
まずはここから。
■ ② 接道の可能性を調査する
私道持分の確認
承諾書の取得
隣地の一部購入
接道が確保できれば“価値が一気に上がる”最重要ポイント。
■ ③ 買取業者に相談する
現金化を優先したい場合に最適。
■ ④ 賃貸・活用へ切り替える
収益化できれば“持つ選択肢”もあり。
袋地は対策の順番が非常に重要です。
◆千葉市で多い袋地の相談例
千葉市は私道が多く、袋地の相談が非常に多い地域です。
■ ● 私道所有者が不明で承諾が取れない
昭和期の開発で権利関係が混在するケース。
■ ● 隣地が買い取りに前向きで高値で成立
“用途にピッタリ”の場合は相場を超えることも。
■ ● 接道確保で価値が2倍以上に上がったケース
再建築可能へ転換できた例。
■ ● 長年の空き家で老朽化が進行
修繕負担が大きく売却が遅れる。
袋地は“個別事情がモロに価格へ影響する特殊な土地”です。








