こんにちは、Re・maison(リ・メゾン)の梅田です。
住宅ローンの相談でほぼ必ず出てくるテーマがこれです。
「繰り上げ返済はしたほうがいいの?」
「最近は“繰り上げ返済は損”って聞くけど本当?」
「返済が早く終わるならやったほうがいい気もする…」
昔は「余裕があるなら繰り上げ返済一択!」という時代でしたが、
いまは状況が大きく変わっています。
結論から言うと、
繰り上げ返済を“してはいけない”わけではない。
ただし、現在の超低金利では“やるメリットが小さいケースが増えている”。
この記事では、
なぜ「繰り上げ返済をするな」と言われるのか、
どんな人がやるべきで、どんな人はやらないほうがいいのか、
判断基準をわかりやすく解説します。
1.なぜ「繰り上げ返済は不要」と言われるのか
昔と今では住宅ローン環境がまったく違います。
■ 理由①:金利が歴史的に低い
金利0.3〜0.8%台の時代、
繰り上げ返済での“利息の節約額”が非常に小さい。
■ 理由②:資産運用のほうがリターンが大きいことが多い
ローン金利0.5%
→ 投資の期待利回りが3〜5%
→ 返すより増やしたほうが合理的という考え方。
■ 理由③:繰り上げ返済で“手元資金が減る”リスク
急病
転職
家の修繕
教育費
などで現金が必要になる可能性がある。
■ 理由④:住宅ローン控除の存在
控除額のほうが繰り上げ返済の節約額より大きいケースもある。
この4つが重なり、
「無理に繰り上げ返済はしないほうがいい」という考えが広がっています。

2.繰り上げ返済のメリットは昔より小さい
昭和〜平成初期は金利4〜6%が当たり前でした。
この時代は繰り上げ返済が“最強”だったのは事実。
しかし今は違います。
■ 金利1%以下だと節約できる金額が少ない
1,000万円を繰り上げ返済したとしても、
節約できる利息はそこまで大きくありません。
■ 長期で見ると“現金の価値”が高い
家の修理・教育費など将来の不確定要素が多いため、
手元資金の重要度が上昇。
■ 繰り上げ返済の目的が曖昧だと失敗する
「なんとなく安心しそう」でやると後悔しやすい。

3.繰り上げ返済を“しないほうがいい”ケース
次のどれかに当てはまる場合、
繰り上げ返済は避けたほうが良いことが多いです。
■ ① 貯金が少ない
生活防衛資金(6ヶ月〜1年分)がない場合はNG。
■ ② 教育費がこれから大きくなる
中学〜大学の時期は支出が跳ね上がる。
■ ③ 今後の収入が不安定
転職予定・業績連動型・自営業など。
■ ④ 老後資金を貯める方が重要
繰り上げ返済より長期運用のほうがメリットが大きい場合が多い。
■ ⑤ 投資のリターンを得られる環境にいる
NISA・iDeCoなど有利な制度がある時代は、
そちらに回すほうが合理的なケース多め。
4.繰り上げ返済を“したほうがいい”ケース
すべての人に不要ではありません。
次のような状況なら強い効果があります。
■ ① 金利が高いローンを組んでいる
固定金利で1.5〜2.5%などは繰り上げ返済のメリットが大きい。
■ ② 退職後の返済負担を軽くしたい
老後のキャッシュフロー改善は大きな安心感。
■ ③ 手元資金に十分な余裕がある
防衛資金を確保したうえで行うなら問題なし。
■ ④ 将来的に住み替えを考えている
ローン残債が少ないほうが住み替えがスムーズ。

5.千葉市で住宅ローンを組む人の傾向
千葉市では次のような特徴があります。
■ ● 変動金利ユーザーが圧倒的多数
そのため繰り上げ返済メリットが小さい。
■ ● 共働き世帯が多く、教育費が重くなる
手元資金を厚く持つほうが安心。
■ ● 中古マンション購入が多く、修繕費の出費が発生しやすい
現金の重要性が高い。
繰り上げ返済は“その家庭の状況”で判断が分かれます。








