こんにちは、Re・maison(リ・メゾン)の梅田です。
不動産を売却したあとに必ず出てくる疑問がこれです。
「年末調整で不動産売却の利益を書くべき?」
「確定申告が必要なのか?」
「書き忘れたらどうなる?」
結論から言うと、
不動産売却は“年末調整ではなく”必ず自分で確定申告が必要。
年末調整に書く欄は存在しない。
さらに重要なのは、
「利益が出ていなくても確定申告が必要になるケースがある」 という点です。
この記事では、年末調整との違い、譲渡所得の考え方、
書かなかった場合のリスクまで、実務経験に基づいて分かりやすく解説します。
1.不動産売却は年末調整で申告できる?
結論はシンプルです。
■ 年末調整では申告できない
年末調整は
給与
生命保険控除
住宅ローン控除(2年目以降)
など、“給与所得者のための調整”であり、
不動産売却の利益(譲渡所得)は対象外。
書く欄そのものがありません。
■ つまり必ず“確定申告”が必要
利益の有無に関わらず、
不動産売却=確定申告は必須
と考えるべきです。

2.譲渡所得とは?(税金の計算方法)
不動産を売却したときの利益は 譲渡所得 と呼ばれます。
計算式は次のとおり。
譲渡所得=売却価格 −(取得費+譲渡費用)
取得費 … もともと買ったときの価格+仲介手数料など
譲渡費用 … 売るときにかかった仲介手数料・測量費など
この計算でプラスになれば 課税対象、
マイナスなら基本的に税金はかかりません。
※ただしマイナスでも申告が必要なケースがあります(後述)。

3.利益が出ていなくても申告が必要なケース
「利益が出なかったから申告しなくていいでしょ?」
と思われがちですが、実はそうではありません。
次のようなケースは、利益ゼロでも申告が必要です。
■ ① 特例を使う場合
特に重要なのが
3,000万円特別控除(居住用財産の特例)
軽減税率
買い替え特例
など。
控除を使って税金をゼロにする場合でも、
申告しないと特例が受けられません。
■ ② マイナス(損失)を翌年に繰り越したい場合
居住用財産の買い替えなど、
損失を繰り越して翌年以降の税金を減らす制度があります。
これも申告が必須。
■ ③ 取得費が不明で“概算取得費”を使う場合
中古物件の相続などで取得費が分からない場合、
概算取得費(売却価格の5%)を使うため申告が必要。
4.書かない(申告しない)とどうなる?
不動産売却を申告しないとどうなるのか。
ここは絶対に知っておいてほしいポイントです。
■ ① 税務署から“必ず”連絡が来る
不動産の売却は法務局に登記されているため、
税務署は売却情報を100%把握しています。
申告がない場合は、ほぼ確実に通知が来ます。
■ ② 追徴課税(ペナルティ)が発生する可能性
申告漏れが発覚すると、
加算税
延滞税
などが追加で発生します。
特例で本来税金ゼロだった場合でも、
申告しないとペナルティがつくケースもあります。
■ ③ 特例が使えなくなる
3,000万円控除などは“申告が前提”。
申告しないとそもそも使えません。
■ ④ 数年後に修正を求められ、精神的にも負担が大きい
売却した年を跨いで指摘されると、
当時の資料が残っておらず、手続きが非常に面倒になります。

5.よくある誤解・ミス、売却後にやるべき手続き
■ 誤解①:利益が出ていないから申告不要
→ 特例や繰越控除が使えなくなる可能性あり。
■ 誤解②:年末調整で何とかなる
→ 年末調整には書ける欄がそもそもない。
■ 誤解③:相続で売った場合は申告不要
→ 相続でも売却は売却。譲渡所得として申告必要。
■ 誤解④:資料がないと申告できない
→ 取得費が不明なら概算取得費(5%)で申告可能。
◆売却後にやるべき手続き
売却後は次のポイントを整理しておくとスムーズです。
① 売却時の資料をまとめる
売買契約書
仲介手数料の領収書
測量図
登記情報
など。
② 利益が出るかどうかを確認
簡易計算でOK。
③ 使える特例を把握
3,000万円控除は特に重要。
④ 税務署 or 専門家へ早めに相談
期限までに申告すれば問題なし。
6.まとめ
不動産を売却した場合は、
年末調整ではなく必ず確定申告が必要です。
年末調整に書く欄はなく、
譲渡所得は“自分で申告する仕組み”になっています。
また、利益がゼロ・マイナスでも
特例を使う場合
損失を繰り越したい場合
取得費が不明な場合
などは確定申告が必要です。
申告をしないと、後で税務署から指摘が入り、
ペナルティや追徴課税が発生する可能性があります。
売却後の税金手続きは複雑に感じますが、
流れを理解しておけば混乱することはありません。
必要な資料さえ揃えておけば、手続きはスムーズに完了します。
千葉市周辺で不動産売却を検討している場合や、
譲渡所得の申告に不安がある場合は、
状況を共有してもらえれば適切な申告方法や特例の使い方も含めてサポートできます。











