こんにちは、Re・maison(リ・メゾン)の梅田です。住宅を購入すると、必ずといっていいほど加入することになる火災保険。
名前は知っていても、補償内容や選び方のポイント、保険金額の決め方を正しく理解している方は意外と多くありません。
・火災保険は何に備えるものなのか
・どこまで補償されるのか
・保険金額はいくらにすべきか
・どうやって選べば失敗しないのか
この記事では、不動産売買の現場で10年以上お客様と向き合ってきた Re・maison の視点から、火災保険の基礎から実務で本当に大切なポイントまで、わかりやすく解説します。
1.火災保険とは?家の“もしも”に備えるための保険
火災保険と聞くと「火事のときに補償する保険」というイメージが強いですが、実は補償範囲はそれだけではありません。
火災保険は、火災以外にも次のようなリスクをカバーします。
【火災保険で補償される代表的なもの】
・火災
・落雷
・破裂・爆発
・風災(台風・強風)
・雪災・雹災
・水漏れ(水道管破裂・上階の漏水被害)
・水災(床上浸水など)
・盗難
・外部からの物体衝突(飛来物)
「火災保険」という名前ですが、実際は“住宅総合保険”といった方がイメージに近い内容です。
火災保険の基本構成
火災保険は大きく2つの補償に分かれます。
建物(建物本体)
家財(家具・家電・生活用品など)
建物と家財は別契約です。
持ち家であれば「建物」は必須。家財は任意ですが、結論として加入しておくべきです。

2.火災保険の選び方で絶対に外せない3つの視点
火災保険は補償内容や保険料に幅があります。選び方のポイントは次の3つ。
① 補償範囲をどう組み合わせるか
火災保険では補償を「付ける・外す」が選べるようになっています。
特に水災(洪水・浸水)を外す人がいますが、立地によっては危険です。
例:
・河川沿い
・浸水履歴のある地域
・ハザードマップが黄色〜赤エリア
→ 水災を外すべきではありません。
逆に高台やマンションの高層階などは、水災を外して保険料を抑える選択肢もあります。
② 建物と家財の“加入額(保険金額)”の決め方
補償額が少ないと、いざというときに修理費が足りません。
・建物 → 再調達価格(建て直しにかかる費用)
・家財 → 一般家庭の平均は500万〜1,000万円
夫婦+子ども2人の一般家庭なら、家財は700〜1,000万が妥当なライン。
家財を極端に低く設定する人も多いですが、冷蔵庫・テレビ・PC・ソファ・ベッド・洋服などを合計すると、想像以上に金額は高くなります。
③ 地震保険をどうするか
火災保険だけでは、地震による火災や倒壊は補償されません。
地震保険は火災保険のオプションですが、現実的にはほぼ必須です。
特に千葉エリアは地震リスクが高く、
・液状化
・地盤沈下
・家が傾く
などの被害が起きる可能性があります。

3.火災保険の保険金額(建物・家財)をどう決めるか
①建物:再調達価格で設定するのが基本
建物の保険額は「再調達価格」を基準に決めます。
再調達価格とは
“同じ家を、同じグレードで建て直すための費用”
中古物件でも、金額は「新築同等」で見積もります。
例えば中古マンションを2,500万円で買ったからといって、2,500万円を建物の保険額にするのは間違いです。
実際には建物構造や面積をもとに保険会社が算出します。
参考
木造住宅:1,500〜2,500万円
マンション専有部:1,000〜1,800万円
などが一般的。
②家財:世帯人数に合わせて決める
一般家庭の目安は以下。
・単身:300〜500万円
・夫婦:500〜700万円
・夫婦+子ども1〜2人:700〜1,000万円
・大型家具・ハイグレード家電多め:1,000万円以上
保険会社によっては「家財保険金額の簡易診断」があります。
4.火災保険でよくある“誤解”と“事故例”
火災保険の相談で特に多い誤解を紹介します。
誤解①「火事にならないなら必要ない」
→ 半数以上の保険金支払いは火災以外
実際の支払い上位
1位:水災・水濡れ
2位:風災
3位:盗難
火災はむしろ少数。
誤解②「家財はいらない」
→ 水漏れ・盗難で最も被害額が出るのは家財
特にマンションの漏水事故は頻発します。
100万〜400万円規模の家財損害は珍しくありません。
誤解③「最安の火災保険でいい」
→ 補償を削りすぎると、本当に困る
“保険料が安い=補償が少ない”です。
安さだけで選ぶのは危険です。

5.火災保険を選ぶときの具体的チェックポイント
①補償を自分で決められるタイプか
保険会社によっては「セット型」で不要な補償まで付いてくるものもあります。
おすすめ
・カスタマイズ型(補償を自由に選べるタイプ)
②水災の有無(立地で判断)
千葉市内でも、“ハザードマップ黄〜赤”の地域は加入必須。
③免責金額の設定
1〜10万円など、自分で負担する金額を設定できます。
免責を増やすと保険料は下がります。
④類焼損害特約の有無
隣家が出火し、炎が移って被害を受けた場合に備えるもの。
⑤事故対応の良さ(会社によって差がある)
不動産会社としては、
“三井住友海上・東京海上日動・損保ジャパン”
は対応の安心度が高い印象です。
◆火災保険料の相場(2024〜2025)
保険料は建物の構造・築年数・補償内容で大きく変わります。
参考
・木造住宅(10年契約):10万〜20万円
・マンション(10年契約):5万〜12万円
近年、自然災害増加により火災保険料は上がり続けています。
保険料は3〜4年ごとに改定されるため、「更新ごとに高くなる」前提で考える必要があります。
6.まとめ|火災保険は“安さ”ではなく“安心で選ぶべき”
火災保険はいざというときの“最後の砦”。
補償を削って数千円安くしても、損害が出たときに対応できなければ意味がありません。
Re・maisonでは、
“その家に本当に必要な補償だけを残し、ムダを削った最適プラン”
をお客様ごとにご提案しています。
火災保険とは何か、どう選ぶべきかをまとめると以下の通り。
・火災だけでなく水漏れ・風災・盗難など幅広く補償
・建物と家財は別契約
・保険金額は“再調達価格”と“世帯人数”で決める
・水災の有無は立地で判断
・安さより補償内容を優先
・地震保険も必ず併せて検討する
・更新のたびに保険料は上がる傾向にある
火災保険は、住宅購入に欠かせない大切な要素です。
迷ったときは専門家のアドバイスを取り入れるのが一番確実です。
Re・maisonでは、家の購入前から火災保険の最適設計まで一貫してサポートしていますので、気になる方はいつでもご相談ください。











