こんにちは、Re・maison(リ・メゾン)の梅田です。土地を売るとき、ほとんどの売主が気にしていないのに、実は“売却トラブルのトップクラス”に入るのが 地中埋設物(ちちゅうまいせつぶつ) です。
建物を壊すとき、地盤を掘るとき、造成工事をするとき。
はじめて地中から「えっ、こんなものが?」と出てくるケースは珍しくありません。
鉄筋コンクリートの残骸、古い基礎、浄化槽の残骸、井戸、ゴミ、産業廃棄物まで、出てくる可能性はさまざまです。
問題は、この地中埋設物が 売却後に発覚すると“売主負担”になる可能性が高い ということです。
売主にとっては、知らなかっただけなのに突然大きな出費につながるため注意が必要です。
この記事では、土地売却前に知っておくべき
・地中埋設物とは何か
・見つかると何が起きるのか
・費用相場と調査の方法
・売却価格への影響
・トラブルを避けるためのポイント
を、Re・maisonの実務経験ベースで丁寧に解説します。
1.地中埋設物とは?どんなものが埋まっているのか
“地中埋設物”とは、地面の下に埋まっている構造物や廃材のことです。
実際の現場でよく見つかる例は次のとおりです。
● 旧建物の基礎の一部
● 昔の浄化槽、便槽
● 石やレンガ、コンクリートガラ
● 排水管などのライフライン残置物
● 埋め戻し時に混入したゴミ・金属片
● 古井戸
● 地中タンク
● 産業廃棄物
売主自身も気づいていないことが多く、築年数の古い家や、度重なって増改築をした家では特にリスクが高まります。

2.地中埋設物が見つかるとどうなる?売主負担になる理由
結論から言うと、地中埋設物は
契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)
に該当するため、売却後に見つかっても「売主負担になることが多い」のが現実です。
理由はシンプルで、
土地として売る以上、地中に不要物が残っているのは「正常ではない状態」だから。
特に買主が
・建物を建てる
・地盤改良をする
・造成工事する
といったタイミングで発覚することが多く、その工事をストップして 売主負担で撤去 となるケースは珍しくありません。
軽く見てはいけないのは、撤去費用が意外と高いことです。

3.地中埋設物の撤去費用の相場
撤去の費用は内容や量によって大きく変わりますが、概ね以下が相場です。
● コンクリートガラ等の撤去
30万~150万円
● 古い浄化槽や井戸の撤去
20万~80万円
● 大量のガラ・産業廃棄物
100万~300万円以上
● 地中タンク・油タンク
状態によっては100万~400万円
建物を解体して「地中から何も出なかった」というケースもありますが、逆に「解体費と同じくらいの撤去費が追加で発生した」ケースもあります。
地域・土質・過去の利用状況によって変動するため、売却前の“事前調査”が重要です。
◆売却前にできる地中埋設物の調査
完全に掘り返す以外に100%の調査方法はありませんが、以下の方法で「リスクの有無」「推測」が可能です。
①既存資料の確認
・建築確認申請図
・増改築の記録
・昔の契約書
・ライフラインの図面
意外と、古い浄化槽の図面や井戸の記録が残っていることがあります。
②聞き取り調査
・元の所有者
・近隣住民
・工務店や建築関係者
「昔ここに井戸があったよ」という情報が判明することもあるため侮れません。
③地中レーダー探査(必要に応じて)
費用:10万~30万円程度
レーダーで地中の異物を探知する方法です。
100%ではありませんが、浄化槽・タンクなどの大きな構造物は感知できます。
④試掘調査(本格調査)
費用:10万~20万円ほど
必要箇所を部分的に掘り返して確認する方法です。
売却前に実施するケースは多くはありませんが、工務店の協力でできる場合があります。
4.売却価格への影響は?「地中埋設物あり」はマイナス査定になる
地中埋設物の有無は、当然ですが売却価格にも影響します。
理由は次の3つです。
買主が撤去費用を負担する必要がある
建築スケジュールが読めず嫌がられる
土地の評価が「不確実」になり敬遠される
特に建売業者やハウスメーカーはリスクを嫌うため、
・査定価格から大幅に減額
・そもそも買い取らない
という判断になることもあります。
逆に、売主側で事前に撤去しておけば
「クリーンな土地」として高値で売れるケースも多くあります。

5.トラブルを避けるために売主が必ずやっておくべきこと
トラブルを避けるポイントは3つです。
①売却前に“把握できる情報”をすべてまとめておく
・建物の過去情報
・図面
・古い設備の痕跡
・井戸の有無
・増改築の履歴
・排水の経路
小さなヒントでも、購入後のトラブル防止につながります。
②不動産会社に「地中埋設物の可能性」を事前に共有する
分かっている情報はすべて営業担当者に伝えてください。
売却活動の段階で買主へ正しく説明できるため、契約後のトラブルを防げます。
③売買契約書の「契約不適合責任」を調整しておく
責任期間を
・短くする
・免責扱いにする(※ケースにより可能)
・引渡条件を“現況有姿”にする
など、実務上の調整ができます。
Re・maisonでは、売主側に不利にならない契約調整を徹底しています。
6.まとめ|地中埋設物は“事前準備”でほとんどのトラブルは防げる
地中埋設物は厄介ですが、正しく知識を持ち、事前に準備しておけば深刻なトラブルは防げます。
まとめると、重要なのは次の通りです。
● 土地の売却前に、必ず過去の履歴・図面を確認する
● 小さな情報でも不動産会社へ共有する
● 埋設物リスクが高い土地は事前に査定依頼しておく
● 撤去費は最大100万円〜300万円以上かかる可能性がある
● 事前に把握しておけば、価格交渉・契約調整がスムーズになる
Re・maisonは、売主に不利なトラブルを避けるための
「管理調査」「契約調整」「土地リスク分析」を徹底しています。
土地の売却を検討している方は、早めに相談してもらえれば、
あなたの土地がどの程度リスクがあり、どんな売り方がベストなのかを具体的にお伝えできます。











