こんにちは、Re・maison(リ・メゾン)の梅田です。不動産の売却相談を受けていると、必ずといっていいほど最初に聞かれるのがこの質問です。
「いくらで売れますか?」
「相場より高く売れませんか?」
「できるだけ高く査定してくれる会社に任せたい」
お気持ちはよく分かります。
ただ現場で15年以上売買仲介をしてきた身として、はっきりお伝えしたいことがあります。
それは、
“高い査定=高く売れる”は全くの別物
だということです。
この記事では、一般の方が誤解しがちな「査定価格のカラクリ」と、「本当に高く売るために必要な考え方」を、Re・maisonの視点から分かりやすく解説します
1.なぜ不動産会社は“高額査定”を出したがるのか
これは残念ながら業界の構造的な問題です。
■理由①:専任媒介を取りたいから
どの会社も「うちに任せてください」と言います。
ただし任せてもらうためには、他社より魅力的な金額を出す必要がある。
その結果、
「実際には売れないけれど高く見える査定」
が増えてしまうのが現実です。
■理由②:最初は高く出して、あとで値下げする前提だから
売却戦略ではなく、
「とりあえず預かる → 反響がない → 値下げ提案」
という安易なパターンで動く会社が多いです。
これはプロの仕事とは言えません。
■理由③:媒介だけ取れれば広告物件として利用できる
ネット掲載するだけで「うちで売っている」と見せられるため、
単なる集客目的として物件が利用されるケースすらあります。
あなたの物件は、広告の道具ではありません。

2.高い査定に飛びつくと損をする理由
結論、損する可能性が高いです。
■失敗①:売れない期間が続いて“値下げ圧力”が強まる
高く出す → お問い合わせゼロ → 値下げ要請
これは典型的な失敗パターンです。
売れ残る期間が長くなるほど、
買主から「もっと安くなるのでは?」と見られます。
■失敗②:結局、相場以下で売却してしまう
相場以上で売れるのは、極めてレアケース。
長期間売れ残った結果、
相場より100万〜300万円下で売却する
ということも実際にあります。
■失敗③:時間を失う
・住み替え時期が遅れる
・住宅ローンの二重払いが長引く
・持ち続けるほど管理費・固定資産税が発生する
不動産売却は「時間」が大きなコストです。

3.本当に高く売れる物件の条件とは
査定価格ではなく、市場がどう評価するかで決まります。
■条件①:競争力のある立地
駅距離、生活利便、治安、再開発――
立地は変えられませんが、価値を決める最重要ポイントです。
■条件②:管理状態が良いマンション
これは中古市場では圧倒的に重要。
長期修繕計画
積立金残高
共用部の清掃
管理会社の質
買主は「安心して住めるか」を重視します。
■条件③:第一印象が良い
内見の3秒で結果が決まると言われるほど重要です。
・におい
・生活感
・照明
・家具レイアウト
少し整えるだけで、印象は大きく変わります。
■条件④:適正価格でスタートする
最初の1〜2週間で反応がなければ、その後も売れません。
適正価格で市場に出した方が、
結果的に高値で売れます。
4.売却を成功させる不動産会社の選び方
ここが一番重要です。
■選ぶポイント①:「査定の根拠」を説明できるか
高額査定ではなく、
なぜその価格なのか、データと市場状況をもとに説明できるか。
■選ぶポイント②:売るための“戦略”を持っているか
・ターゲット分析
・広告設計
・内見演出
・写真の質
・SNS活用
・問い合わせの対応力
ただ掲載するだけの会社では勝てません。
■選ぶポイント③:デメリットを隠さない
売れないリスクこそ、最初に正直に話してくれる会社が信頼できます。
■選ぶポイント④:買主側視点で説明できるか
「なぜこの物件が選ばれにくいのか」
「どう改善すれば選ばれるのか」
を言語化できる会社は強いです。











