
こんにちは。Re・maisonの梅田です。
「今決めた方がいいですよ」と言われたら…
住宅探しをしていると、高確率で出会うセリフがあります。
「この物件、今だけなんです」
「他にも検討してる人がいて…今日中にお返事いただければ…」
「今決めてくれれば、特別に価格下げます」
一見親切に聞こえるこれらの言葉。 でも、いざその場に立つと、「なんでそんなに急かすの?」と違和感を覚える方も多いのではないでしょうか。 今回は、不動産営業のよくある“決断を急かすトーク”の背景と、それをどう受け止めればいいのかを、現場目線で解説します。

1.よくある“不動産営業トーク”とその意図
◆「この物件、他にも検討してる方がいます」 → 事実の場合もあります。
でも、何週間も売れていない物件でこのセリフが出ると、ちょっと怪しい。
→ これは「迷ってる時間=損」と思わせる心理トリガー。
◆「今日中に決めてくれたら、この価格でいけます」 → 交渉の場でよくある話。
でも「本当に今日だけなのか?」は見極めが必要。
→ 明日もいけるケース、実は多いです。
◆「今だけキャンペーンで○万円値引きできます」
→ キャンペーン自体は事実でも、“今”を強調しすぎるのは典型的な煽り文句。
「このエリア、もう出ないですよ」
→ 希少性を強調したいだけ。→ 本当に出ないのか?
過去データを確認するのが吉。
「それ、今だけ」は本当なのか?
ぶっちゃけると── 本当のこともあるし、そうでないこともある。 営業の現場では、 「今日、他の営業マンが別のお客さんに案内している」 「売主が値下げを検討していて、今週中の返事を希望している」 こういった“タイミング勝負”は確かに存在します。
でも一方で、 「売れなさすぎて少しでも焦らせたい」 「クロージングのために言葉で追い込んでる」 そんな意図で使われることもあるのが現実。
2.信頼できる営業マンは、こう言う
Re・maisonでも心がけているのが、「本当に急ぐ必要があるとき以外、煽らない」こと。
信頼できる営業マンはこう話します
「この物件は○月△日に価格が下がったばかりです」
「今週末に1組、見学希望の方がいる予定と売主さんから報告を受けています」
「売主さんから、週末までの返答を希望されています」
→すべて“事実ベース”
不安をあおるのではなく、情報を開示して判断してもらうのがプロの姿勢です。
■ 逆に、信頼できない営業の特徴とは?
回答が曖昧(「…と思います」「たぶん」「聞いてみます」)
都合の悪いことを言わない(告知義務・デメリットなど)
やたらと「早く決めた方がいいですよ」ばかり強調する
そんな時は、一度冷静になって「他社にも聞いてみる」「条件を整理して考える」ことが大切です。
3.【実話】本当に「今、決めた方がいい」と思ったけど、言えなかった話
営業という仕事をしている以上、「この物件は、お客様に本当に合ってる」と感じることがあります。
立地、予算、建物の状態、条件──
すべてがぴったりハマっていて、「このチャンスは逃してほしくない」と心から思う物件。
でも、初めてご案内するお客様に対して、私は「今すぐ決めた方がいいですよ」と強く言えませんでした。
なぜなら、まだ信頼関係が十分に築けていない中で、私が“急かす”ような印象を与えることは避けたかったからです。 実際にあったケースでは、 ご案内した翌週に「やっぱり買いたい」とお客様からご連絡をいただきました。
ですがそのときには、すでに別の方から申込みが入ってしまっていたのです。 悔しかったです。 「もっと自信を持って背中を押していれば、あのお客様は満足いく買い物ができたかもしれない」 「でも、押しすぎたら“信用できない営業”と思われてしまったかもしれない」── この狭間に立つのが、不動産営業という仕事の難しさであり、正直なところでもあります。
■ 営業トークの“裏”を見抜く力と、信頼できる関係づくりが大切 一見すると「今だけです」「急いだ方がいいですよ」は、営業トークに思えるかもしれません。 でも、その裏にある本当の意図や営業マンの葛藤を、少しでも感じ取ってもらえたらと思います。
本当に信頼できる営業マンは、決して「売りたいから言っている」わけではありません。 「後悔してほしくないから」伝えていることもあるんです。
4.まとめ:焦らず。でも“本気の提案”には耳を傾けてほしい
住宅購入は、人生において何度も経験するものではありません。
多くの方にとって、初めてであり、唯一の買い物かもしれません。だからこそ、「慎重に選びたい」「後悔したくない」という気持ちが強くなるのは当然です。
「焦らされて買うなんて絶対イヤだ」
「本当に納得してから決めたい」
「他にももっといい物件が出てくるかもしれない」
こうした想いは、すべて自然な感情です。
ただ一方で、不動産には“タイミング”というどうしても避けられない現実があります。
物件というのは基本的に“一点もの”であり、同じ条件・同じ価格・同じ立地のものが、いつでも同じように出てくるとは限りません。 実際、私たちの現場でも「先週見たあの物件、やっぱり買いたいです」とご連絡いただいた時には、すでに他の方が申し込みをしていて手遅れになってしまっていた…というケースは珍しくありません。
だからと言って、私たちは「今すぐ決めてください!」と圧をかけるような営業はしません。 お客様のペースや気持ちを大切にしたいし、納得して決めていただきたいという想いがあるからです。 でも一方で、「今だからこそおすすめできる理由」があるときには、誠実にその事実をお伝えしています。
たとえば、価格が近日中に改定される予定がある、同じエリアでの新着物件がしばらく出そうにない、条件に合う物件の中で最もコスパが良い──など、私たちが見てきた多くの案件の中で「これは動いた方が良い」と判断できる根拠がある場合には、その理由をはっきりお話しします。
これは、売るためではなく、お客様に「選べる機会」を逃してほしくないという想いからです。
迷っている間に良い物件を逃してしまったときの後悔は、お客様にとっても、私たちにとっても大きいものです。 だからこそ、「焦らなくていい。でも、動くタイミングを逃しすぎるのももったいない」というバランス感覚が、住宅購入には求められます。
私たちRe・maisonは、ただ物件を紹介するのではなく、「納得できる選択」のために、正直で誠実な情報提供を大切にしています。 「今しかない」と煽られたくない方も、「でも、本当に今がチャンスなら知りたい」と思っている方も、ぜひ一度ご相談ください。
“本当に決めるべきとき”は、お客様自身がちゃんと気づけるように。 そして“後悔しない選択”ができるように。 私たちはそのための準備と提案を、日々全力で行っています。