こんにちは、Re・maison(リ・メゾン)の梅田です。
住宅ローンの相談を受けていると、
「昔、クレジットカードの支払いを遅れたことがあります」
「携帯電話の分割払いを滞納したことがあります」
「カードローンを使っています」
「自分がブラックリストに載っているかもしれません」
「以前、住宅ローンの審査に落ちました」
という相談をいただくことがあります。
こういう相談は、決して珍しいものではありません。
そして最初にお伝えしたいのは、
**自分で判断して住宅購入を諦めないでほしい**
ということです。
インターネットで検索すると、
「延滞したら住宅ローンは通らない」
「ブラックリストは5年間ローンを組めない」
「カードローンを使ったら住宅ローンは無理」
といった情報を見かけます。
でも、住宅ローンの審査はそんなに単純ではありません。
もちろん個人信用情報は非常に重要です。
ただ、
どのような情報が登録されているのか。
いつの情報なのか。
現在どういう状態なのか。
借入残高はいくらあるのか。
年収はいくらなのか。
勤続年数はどうか。
購入する物件はいくらなのか。
どの金融機関・住宅ローン商品へ申し込むのか。
など、さまざまな要素を金融機関が審査します。
今回は、
「ブラックリスト」とは何なのか。
個人信用情報とは何なのか。
一度支払いが遅れたら住宅ローンは組めないのか。
「異動」とは何なのか。
信用情報は何年間残るのか。
自分の信用情報を確認する方法。
信用情報に不安がある人が家を買う前に何をすればいいのか。
住宅ローンを扱う不動産会社の立場から、できるだけ分かりやすく解説します。
1.「ブラックリスト」とは?実際にそんなリストはある?
まず、
「ブラックリスト」
という言葉から説明します。
実は信用情報機関に、
「この人はブラックです」
という名前のリストが存在しているわけではありません。
ブラックリストというのは一般的に使われている俗称です。
ローンやクレジットカードなどで一定の延滞や保証履行、債務整理などがあった場合、信用情報機関にその事実が登録されることがあります。
その状態を一般的に、
「ブラックリストに載った」
「ブラックになった」
と表現しているわけです。
## 個人信用情報とは?
個人信用情報には、
氏名。
生年月日。
住所。
契約しているローンやクレジット。
契約金額。
借入残高。
返済状況。
延滞。
完済。
保証履行。
申込みに関する情報。
など、信用取引に関する客観的な情報が登録されています。
住宅ローンを申し込むと、金融機関等は申込者の同意を得たうえで、加盟する信用情報機関へ照会を行います。
つまり、
「年収500万円だから3,000万円借りられる」
というように、年収だけで住宅ローン審査をしているわけではありません。
これまでの借入状況や返済状況なども審査材料になります。
## 「信用情報に載っている=悪い」ではない
ここも勘違いしやすいところです。
信用情報機関に自分の情報が登録されていること自体が、
悪いこと
ではありません。
クレジットカード。
自動車ローン。
ショッピングローン。
カードローン。
スマートフォン端末の分割払い。
などを利用すれば、契約内容や支払状況などが信用情報として登録される場合があります。
問題になる可能性があるのは、
「登録されていること」
ではなく、
**どのような支払状況・取引事実が登録されているか**
です。

2.住宅ローン審査で確認される個人信用情報とは?
日本には代表的な信用情報機関として、
CIC。
JICC。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)。
があります。
## CIC
CICは、クレジット会社などが加盟する指定信用情報機関です。
クレジットカードやローンなどの契約内容や支払状況などが登録されています。
住宅ローン相談をしていて、
「クレジットカードの支払いを遅れたことがあります」
という場合には、CICの信用情報を確認することがあります。
## JICC
JICC(日本信用情報機構)も指定信用情報機関です。
消費者金融会社やクレジット会社、金融機関など幅広い事業者が加盟しています。
契約内容。
借入残高。
返済状況。
延滞。
債務整理。
保証履行。
強制解約。
など、契約や返済に関する情報が登録されます。
## KSC
全国銀行個人信用情報センター、いわゆるKSCは全国銀行協会が運営する個人信用情報機関です。
銀行などの金融機関が加盟しています。
ローンやクレジットカード等の契約内容、返済状況、延滞、代位弁済などの情報が登録されます。
またKSCでは、官報に公告された破産・民事再生手続開始決定に関する情報も一定期間登録されています。
## 住宅ローン審査は信用情報だけでは決まらない
ここは非常に大切です。
個人信用情報は住宅ローン審査における重要な情報ですが、
信用情報だけですべてが決まる
というものでもありません。
住宅ローンでは一般的に、
年齢。
年収。
勤務先。
勤続状況。
雇用形態。
他の借入。
返済負担。
自己資金。
購入物件。
健康状態や団体信用生命保険の加入条件。
など、さまざまな項目が関係します。
そして金融機関によって審査基準は異なります。
そのため、
「A銀行に落ちた=住宅ローンはもう組めない」
とも限りません。
ただし、なぜ審査に通らなかったのか分からない状態で、手当たり次第に何行も申し込むことはおすすめしません。
まず状況を整理することが重要です。

3.支払いを遅れたら住宅ローンは組めない?
住宅ローン相談で一番多い不安が、
「昔、一度支払いを遅れたことがあります」
というものです。
結論から言えば、
**一度支払いが遅れた=住宅ローンが絶対に組めない**
とは言えません。
反対に、
「1回だけなら絶対大丈夫」
とも言えません。
金融機関の審査基準は公開されていない部分も多く、支払いの遅れ方や時期、現在の状況などによって判断は異なります。
## 「年間3回遅れたらアウト」というルールはない
以前の記事では、
「1年間で3回以上遅れているとかなり審査が厳しくなる」
と書いていました。
ただ、これは住宅ローン全体に共通する公的な基準ではありません。
金融機関によって審査基準は違います。
そのため、
1回なら大丈夫。
2回なら大丈夫。
3回ならアウト。
というように単純に線を引くことはできません。
重要なのは、
信用情報に実際どのように登録されているのか
です。
## CICの「異動」とは?
CICの信用情報では、
「異動」
という表示があります。
CICでは、例えば返済日から61日以上または3か月以上の支払い遅延がある・あった場合などに「異動」と表示されます。
ほかにも保証会社などが本人に代わって返済したケースや、一定の破産情報などが「異動」に該当する場合があります。
一般的に、
「ブラックになった」
と言われる状態の一つとして、この「異動」がよく話題になります。
ただし、
異動がある=すべての住宅ローンが法律上利用できない
という意味ではありません。
住宅ローンを融資するかどうかを最終的に判断するのは金融機関です。
とはいえ、住宅ローン審査では大きな影響を与える可能性がある情報です。
## スマートフォンにも注意
意外と見落とされやすいのがスマートフォンです。
毎月の通信料金だけなら単なる通信サービスですが、
スマートフォン本体を分割払いで購入している
場合には割賦契約が含まれることがあります。
その支払い状況によっては信用情報に関係する可能性があります。
「携帯代だから住宅ローンとは関係ない」
と考えない方がいいでしょう。
## 車のローンやカードローンも確認する
延滞していなくても、
自動車ローン。
カードローン。
教育ローン。
ショッピングローン。
リボ払い。
などの借入状況が住宅ローン審査に影響することがあります。
これは「ブラックだから」という話ではありません。
住宅ローンを含めて、
毎年どのくらい返済することになるのか
という返済負担を見るからです。
だから住宅ローンの相談では、
「延滞したことがありますか?」
だけではなく、
「現在ほかに借入がありますか?」
も重要になります。
4.CIC・JICC・KSCには何年間情報が残る?
「ブラックリストは5年で消える」
という話を聞いたことがある方も多いと思います。
ただ、この表現も少し注意が必要です。
信用情報は、
情報の種類。
信用情報機関。
契約状況。
などによって登録期間が違います。
## CIC
CICでは、クレジット情報について、
契約期間中および契約終了から5年間
が保有期間となっています。
申込情報は、
照会日から6か月間
です。
つまり、
「延滞した日からちょうど5年経てば全部消える」
と単純に考えるものではありません。
契約がいつ終了したのかなども関係します。
## JICC
JICCでは、2019年10月1日以降の契約について、契約内容・返済状況・一定の取引事実に関する情報は、
契約継続中および契約終了後5年以内
などとされています。
申込みに関する情報は、
照会日から6か月以内
です。
こちらも、
「返済した日から必ず5年」
と一括りにはできません。
登録されている情報の種類によって確認する必要があります。
## KSC
全国銀行個人信用情報センターでは、ローンやクレジットカード等の取引情報について、
契約期間中および契約終了日から5年を超えない期間
とされています。
一方、官報に公告された破産・民事再生手続開始決定については、
決定日から7年を超えない期間
です。
つまり、
「信用情報は全部5年」
でもありません。
## 「5年経てば住宅ローンに必ず通る」でもない
これも重要です。
仮に信用情報の登録期間が終了して情報が削除されたとしても、
住宅ローンに必ず通る
という意味ではありません。
住宅ローンは、
年収。
勤務状況。
他の借入。
返済比率。
年齢。
物件。
金融機関独自の審査。
などを総合的に見ます。
信用情報が一つの重要な審査材料であることと、
信用情報だけで住宅ローンの可否が決まること
は別です。
だから私は、
「あと○年待てば絶対住宅ローンが通ります」
という説明はしません。

5.信用情報に不安がある人が住宅ローンを申し込む前にやること
では、
「昔延滞したかもしれない」
「何年前だったか覚えていない」
「住宅ローンに一度落ちている」
という場合はどうすればいいのでしょうか。
私は、いきなり何社も住宅ローンの審査を出す前に状況を整理することをおすすめします。
## ① 現在の借入を全部確認する
まず、
自動車ローン。
カードローン。
クレジットカードのリボ。
ショッピングローン。
スマートフォン端末代。
奨学金など。
現在どのような支払いがあるのか整理します。
「月々5,000円だから大したことない」
ではなく、
契約内容と残高を確認する
ことが大切です。
## ② 自分の信用情報を開示する
信用情報に不安があるなら、自分自身で信用情報を開示して確認する方法があります。
CIC。
JICC。
KSC。
それぞれ本人開示の制度があります。
これは、
「ブラックかどうかを判定してもらう」
サービスではありません。
自分について、
どの契約が登録されているのか。
残高はいくらなのか。
支払状況はどうなっているのか。
異動等の情報があるのか。
などを確認するためのものです。
不安な記憶だけで住宅購入を諦めるより、実際の情報を確認した方が次の対応を考えやすくなります。
## ③ 不動産会社へ隠さず相談する
これはかなり重要です。
「言ったら家を買えなくなるかもしれない」
と思って、
カードローン。
過去の延滞。
現在の借入。
以前住宅ローンに落ちたこと。
などを不動産会社へ言わない方がいます。
でも、後から分かる方が問題になります。
特に売買契約を結んでから住宅ローンの問題が分かった場合には、契約スケジュールにも影響します。
住宅ローンに不安があるなら、
物件を決める前
に相談してください。
## ④ 何でも「とりあえず完済」しない
他の借入があると、
「じゃあ全部返してしまえばいいですよね?」
と思うかもしれません。
でも住宅購入では、手元資金も重要です。
例えば貯金300万円。
自動車ローン残高150万円。
住宅購入を予定している。
この状態で150万円を一気に返済すれば、借入は減ります。
一方で手元資金も150万円減ります。
住宅購入には、
諸費用。
引っ越し。
家具。
家電。
リフォーム。
不動産取得税。
などのお金も必要です。
だから、
完済した方がいいのか。
一部返済なのか。
そのまま住宅ローン審査を検討するのか。
は、住宅購入全体の資金計画を見て考えます。
## ⑤ 住宅ローンの申込み先を考える
住宅ローンはどこへ申し込んでも同じではありません。
銀行。
信用金庫。
ネット銀行。
フラット35。
それぞれ商品や審査の考え方、条件などが違います。
だから、
「一番金利が低い銀行へとりあえず出す」
だけではなく、
自分の状況に合う住宅ローンを考える
ことが重要です。
ただし、
「この銀行ならブラックでも通る」
というような考え方はおすすめしません。
金融機関の審査基準は各社が判断するものであり、確実に通る住宅ローンはありません。
6.まとめ|大切なのは「ブラックかどうか」ではなく現在の状況を把握すること
住宅ローンの相談をしていると、
「自分はブラックだから家を買えませんよね?」
と言われることがあります。
でも、まず確認したいのは、
本当に信用情報に問題となる情報が登録されているのか
です。
「ブラックリスト」という名前のリストがあるわけではありません。
信用情報機関には、
ローンやクレジットの契約。
借入残高。
返済状況。
延滞。
保証履行。
申込情報。
などの客観的な取引情報が登録されています。
そして住宅ローンを申し込む際には、金融機関等が申込者の同意を得て信用情報を確認します。
だから、
一度支払いを遅れた=住宅ローンは絶対無理。
年間3回遅れた=アウト。
異動がある=法律上住宅ローンを組めない。
完済して5年経った=必ず住宅ローンに通る。
という単純な話ではありません。
住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なります。
一方で、信用情報に不安があることを放置したまま住宅購入を進めることもおすすめしません。
私は以前から住宅ローンの記事で、
**「問題があることより、問題を把握しないまま契約まで進んでしまうことの方が怖い」**
とお伝えしています。
これは個人信用情報でも同じです。
過去に延滞したことがある。
カードローンがある。
車のローンが残っている。
スマートフォンの支払いを遅れた記憶がある。
以前住宅ローンに落ちた。
こうしたことがあるなら、最初に相談してください。
必要であれば本人開示をして、自分の信用情報を確認する。
現在の借入を整理する。
購入できる住宅価格を考える。
住宅ローンの選択肢を検討する。
それから物件を探す。
この順番の方が安心です。
Re・maisonでは、
「住宅ローンに自信がある人」
だけを対象にしているわけではありません。
「自分でも住宅ローンを組めますか?」
という段階からご相談いただいて大丈夫です。
千葉市周辺で住宅購入を考えていて、
「昔クレジットカードを延滞した」
「カードローンを使っている」
「車のローンが残っている」
「他社で住宅ローンに落ちた」
「信用情報を開示したけど見方が分からない」
といった不安があれば、物件を決める前にご相談ください。
住宅ローンで大切なのは、
無理に審査へ通すこと
ではありません。
現在の状況を正しく把握して、
「自分はいくらまでなら無理なく住宅を購入できるのか」
を考えることです。
家を買うことがゴールではありません。
住宅ローンを返しながら、購入後も無理なく生活できること。
そこまで含めて住宅購入だと私は考えています。










