こんにちは、Re・maison(リ・メゾン)の梅田です。
不動産の仕事をしていると、
「今の家の住宅ローンがまだ残っているんですが、住み替えできますか?」
という相談をよくいただきます。
結婚して最初にマンションを購入したけれど、子どもが増えて手狭になってきた。
マンションから戸建てへ住み替えたい。
子どもが独立したので、今度はもう少しコンパクトなマンションに移りたい。
転勤や離婚、親との同居などをきっかけに、今の家を売却する必要が出てきた。
住宅を購入したときには「長く住むつもり」だったとしても、10年、20年と経てば生活は変わります。
私は以前から、
「住宅は一生に一度の買い物とは限らない」
と考えています。
ライフスタイルが変われば、そのときの自分や家族に合った住宅へ住み替える。
それ自体はまったくおかしなことではありません。
ただし、住宅ローンが残っている状態での住み替えは、単純に「今の家を売って、次の家を買う」だけではありません。
重要になるのが、
「今の家はいくらで売れるのか」
「住宅ローンはいくら残っているのか」
「売却を先にするのか、購入を先にするのか」
「次の住宅ローンはいくら借りられるのか」
という4つの数字とタイミングです。
ここを整理しないまま新しい家を探し始めてしまうと、
「欲しい家が見つかったのに買えない」
「今の家が思った価格で売れない」
「一時的に住宅ローンが二重になった」
「売却代金だけでは住宅ローンを完済できなかった」
といった問題が起こります。
逆に言えば、最初に数字と順番を整理しておけば、住宅ローンが残っていても住み替えできるケースは十分あります。
今回は、住み替え時の住宅ローンについて、実際の不動産売買の現場で重要になるポイントをできるだけ分かりやすく解説していきます。
1.住宅ローンが残っていても住み替えはできる?
まず結論からお伝えします。
住宅ローンが残っていても、住み替えは可能です。
「住宅ローンを完済してからでなければ、新しい家を買えない」
と思っている方もいますが、必ずしもそうではありません。
重要なのは、
現在の住宅ローン残高
今の家の売却見込価格
自己資金
年収などから見た新居の借入可能額
この4つのバランスです。
## なぜ住宅ローン残高が重要なのか
住宅ローンを利用して家を購入すると、通常、その不動産には金融機関の抵当権が設定されています。
今の家を第三者へ通常売却する場合には、決済時に住宅ローンを完済し、抵当権を抹消できる状態にするのが基本です。
そこで最初に確認するのが、
「今の家を売ったお金で住宅ローンを完済できるか?」
です。
例えば、
住宅ローン残高 2,500万円
売却見込価格 3,500万円
なら、数字だけを単純比較すると1,000万円の差があります。
ただし、3,500万円すべてが手元に残るわけではありません。
売却時には仲介手数料、抵当権抹消登記に関する費用、住宅ローンの完済に伴う費用などが発生することがあります。
さらに譲渡益が出れば税金の検討も必要になります。
そのため、
売却価格-住宅ローン残高=次の家に使えるお金
とは限りません。
ここは住み替えで非常に重要です。
## 「売れる金額」と「売りたい金額」は違う
もう一つ重要なのが査定価格です。
住み替え相談では、
「この家を4,000万円で売って、そのお金を次の家に使いたい」
という計画を聞くことがあります。
でも、4,000万円で売れる根拠がなければ、その資金計画自体が成立しません。
住み替えでは、
「いくらで売りたいか」
ではなく、
「現実的にいくらなら売却できそうなのか」
を見る必要があります。
私はここをかなり慎重に考えます。
査定額を高く出すだけなら簡単です。
でも、その査定額を前提に5,000万円の新居を購入して、旧居が想定価格で売れなかったら困るのはお客様です。
だから住み替えでは、最初の査定が非常に重要になります。

2.最初に確認するのは「売却価格」ではなく住宅ローン残高
住み替えを考え始めたら、まず金融機関などで現在の住宅ローン残高を確認してください。
ここから住み替え計画が始まります。
## アンダーローンなら選択肢は広がりやすい
売却価格が住宅ローン残高を上回る状態を、一般的に「アンダーローン」と呼びます。
例えば、
売却価格 4,000万円
住宅ローン残高 2,500万円
という状態です。
売却に必要な費用などを考慮しても住宅ローンを完済でき、さらに資金が残るのであれば、そのお金を新居の頭金や購入諸費用などに使える可能性があります。
この状態なら比較的住み替え計画を立てやすくなります。
ただし、
「4,000万円で売れると思う」
ではなく、
現実的な成約価格を想定することが大切です。
## オーバーローンなら慎重に考える
反対に、
売却価格 2,500万円
住宅ローン残高 3,000万円
なら、500万円の不足です。
さらに売却諸費用も考える必要があります。
これがいわゆるオーバーローンの状態です。
この場合でも住み替えが絶対にできないわけではありません。
自己資金で不足分を補う。
住み替えに対応したローンを検討する。
売却時期を変更する。
購入予算を下げる。
など複数の方法があります。
ただし、アンダーローンの場合より資金計画は慎重に組む必要があります。
## 査定は「高い会社」を選べばいいわけではない
ここも住み替えでは重要です。
例えば3社へ査定を依頼して、
A社 3,500万円
B社 3,700万円
C社 4,300万円
だったとします。
4,300万円と言われたら、当然うれしいですよね。
でも、
「一番高い査定だからC社」
という選び方は危険です。
査定価格は売却を保証する価格ではありません。
なぜその金額なのか。
近隣で実際にいくらで成約しているのか。
競合物件はいくらなのか。
どのくらいの期間で売る想定なのか。
ここまで確認してください。
住み替えでは売却価格が購入予算に直結します。
だからこそ私は、
高い査定価格より、現実的な査定価格
の方が重要だと考えています。

3.売却先行と購入先行、どちらを選ぶべき?
住み替えで一番悩むのが、
「先に売るのか?」
「先に買うのか?」
という問題です。
どちらにもメリット・デメリットがあります。
## 売却先行とは
現在の住宅を先に売却し、その後に新居を購入する方法です。
最大のメリットは、
「いくら使えるのかが明確になる」
ことです。
例えば旧居を売却して、
売却代金 4,000万円
住宅ローン完済等 2,500万円
売却に伴う費用等を差し引いた残額 約1,300万円
となったとします。
この1,300万円のうち、いくらを新居購入に使うのか。
手元にいくら残すのか。
新しい住宅ローンはいくら借りるのか。
具体的に計算できます。
### 売却先行のメリット
・売却金額が確定してから新居を探せる
・住宅ローン残高を整理しやすい
・資金計画を立てやすい
・二重ローンのリスクを抑えやすい
資金面の安全性を重視するなら、売却先行は非常に分かりやすい方法です。
### 売却先行のデメリット
問題は、新居がすぐに見つからない場合です。
現在の家を引き渡す日までに新居を購入できなければ、仮住まいが必要になることがあります。
そうなると、
旧居→賃貸
賃貸→新居
と2回引っ越す可能性があります。
引っ越し費用もかかりますし、子どもがいる家庭では学校や生活への負担もあります。
そのため、売却先行では売買契約の引渡し時期をどう調整するかも重要です。
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## 購入先行とは
先に新居を購入して、その後に現在の住宅を売却する方法です。
メリットは非常に分かりやすいです。
「欲しい家を逃しにくい」
ことです。
不動産は同じものが二つありません。
気に入ったマンションが見つかった。
希望する学区で条件の良い戸建てが出た。
でも、
「今の家が売れるまで待ってください」
と言っても、売主が待ってくれるとは限りません。
購入先行なら、条件が整えば新居を確保してから旧居を売却できます。
### 購入先行のメリット
・希望する新居を先に確保できる
・仮住まいを避けやすい
・引っ越しを一度で済ませやすい
・空室にしてから旧居を売却できる場合がある
空室になれば内覧対応もしやすくなります。
### 購入先行のデメリット
最大の問題は資金です。
現在の住宅ローンが残ったまま新居の住宅ローンを組めるかは、金融機関の審査や本人の収入、現在の借入状況、売却計画などによって異なります。
また、旧居が売れるまでの間、
旧居の住宅ローン
新居の住宅ローン
管理費・修繕積立金
固定資産税
などを重複して負担する可能性があります。
「3か月くらいなら大丈夫」
と思っていたのに半年売れなかった。
そうなると家計への負担はかなり大きくなります。
だから購入先行を選ぶなら、
「旧居が想定より安くなっても大丈夫か?」
「売却まで時間がかかっても耐えられるか?」
というストレステストまでしておいた方がいいでしょう。
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## Re・maisonではどちらをすすめる?
私は、
売却先行が正解
購入先行が正解
と一律には考えていません。
例えば、
住宅ローン残高が少ない。
自己資金に余裕がある。
収入に対して次の住宅ローンにも余裕がある。
現在の住宅が比較的売却しやすい。
こうした方なら購入先行も十分考えられます。
反対に、
住宅ローン残高が多い。
売却代金を新居の頭金に使いたい。
自己資金に余裕がない。
現在の住宅がいくらで売れるかによって購入予算が変わる。
こうした方なら、私は売却先行を中心に考えます。
大切なのは「どちらが一般的か」ではありません。
その人の資金状況にどちらが合っているかです。
4.売却してもローンが残る場合はどうする?
住み替え相談で不安が大きいのが、
「売っても住宅ローンを返しきれない」
というケースです。
例えば、
住宅ローン残高 3,500万円
売却価格 3,000万円
なら、単純計算でも500万円不足します。
さらに売却費用も考える必要があります。
この場合、代表的な選択肢は大きく3つあります。
## 方法1 自己資金で不足分を補う
最もシンプルです。
預貯金などで不足分を補い、現在の住宅ローンを完済して抵当権を抹消します。
ただし、ここで貯金をほぼ使い切ってしまうのは慎重に考えたいところです。
新居購入にも、
購入諸費用
引っ越し費用
家具・家電
リフォーム費用
などが必要になるからです。
住宅購入では、
「払えるか?」
だけでなく、
「払ったあとにいくら残るか?」
まで考える必要があります。
## 方法2 住み替えローンを検討する
金融機関によっては、旧居を売却しても残る住宅ローンと、新居の購入資金をまとめて借りられるタイプの商品があります。
一般に「住み替えローン」「買い替えローン」などと呼ばれます。
例えば、
旧居売却後の不足額 500万円
新居購入資金 4,000万円
なら、それらを含めた借入れを検討するイメージです。
ただし、当然借入額は新居の価格以上になります。
そのため金融機関の審査も含め、通常の住宅ローン以上に慎重な資金計画が必要です。
「住み替えローンがあるから大丈夫」
ではありません。
借りられたとしても、
その金額を無理なく返せるのか
を必ず考える必要があります。
## 方法3 住み替えの時期や購入予算を見直す
私はこれも立派な選択肢だと思っています。
今売ると500万円不足する。
でも住宅ローン残高が減るまで少し待てる。
新居を5,000万円ではなく4,000万円程度にする。
希望エリアを少し広げる。
こうした調整によって、無理に住み替えローンを使わなくても計画が成立する場合があります。
不動産会社は物件を買ってもらえば売上になります。
だから、
「大丈夫です。買えますよ」
と言う方が簡単です。
でも大切なのは、買えるかどうかではなく、
買ったあとも無理なく生活できるか
だと思っています。

5. 住み替えで失敗しないためにRe・maisonが最初に確認すること
住み替え相談を受けたとき、私はいきなり新居探しから始めるべきではないと思っています。
まず数字を整理します。
## 1. 現在の住宅ローン残高
これは必須です。
「だいたい2,000万円くらい」
ではなく、できるだけ正確な残高を確認します。
## 2. 現在の家の現実的な売却価格
次に査定です。
ここでも、
高く売れた場合 4,000万円
現実的なライン 3,800万円
早期売却を優先した場合 3,500万円
というように、複数パターンで考えると住み替え計画を作りやすくなります。
一つの査定額だけを信じて購入予算を決めるのは危険です。
## 3. 売却に必要な費用
仲介手数料や登記関係費用など、売却にも費用がかかります。
そのため、
売却価格-住宅ローン残高
だけで自己資金を計算しないことです。
## 4. 新居の購入諸費用
新居側にも、
登記費用
住宅ローン関連費用
火災保険
仲介手数料
固定資産税等の精算金
などが発生します。
中古住宅を購入してリノベーションするなら、さらに工事費用も考える必要があります。
## 5. 新しい住宅ローンの借入可能額と毎月返済額
ここで初めて次の住宅ローンを考えます。
重要なのは、
「銀行はいくら貸してくれるか」
だけではありません。
「毎月いくらなら無理なく返せるか」
です。
住み替え後に、
教育費が増える。
車を買い替える。
管理費・修繕積立金がかかる。
固定資産税も払う。
こうした支出まで含めて考えます。
## 6. 税金の特例
住み替えでは税金も重要です。
代表的なのが、マイホームを売却して利益が出た場合に利用できる可能性がある「3,000万円特別控除」と、新居の「住宅ローン控除」です。
ここで注意したいのが、
「どちらも使えるだろう」
と勝手に判断しないことです。
住宅ローン控除については、入居した年、その前2年または後3年以内に3,000万円特別控除など一定の譲渡所得の特例を利用すると、住宅ローン控除を受けられない場合があります。
つまり、
旧居の売却でどの税制を使うのか
新居で住宅ローン控除を使うのか
まで含めて比較する必要があります。
売却益が大きい方ほど、この判断によって税負担が変わる可能性があります。
税務については個別事情によって異なるため、最終的には税務署や税理士へ確認することをおすすめします。
## 2026年の住宅ローン控除は中古住宅にも重要
2026年の制度改正では住宅ローン減税の適用期限が延長され、既存住宅についても省エネ性能などによって借入限度額や控除期間が異なる仕組みになっています。
また、床面積要件についても2026年以降の制度変更があります。
つまり中古住宅でも、
「中古だから住宅ローン控除は使えない」
「築年数が古いから対象外」
と単純には判断できません。
購入する住宅の性能や耐震性、床面積、入居時期、所得、住宅ローンの返済期間など、条件を確認する必要があります。
住み替えでは、
売却
購入
住宅ローン
税金
を別々に考えるのではなく、一つの計画として考えることが重要です。
6.まとめ
住宅ローンが残っていても、住み替えはできます。
ただし、
「欲しい家を見つける」
ところから始めるのではなく、
「今の家を売ったらどうなるか」
から始めることをおすすめします。
最初に確認するのは、
現在の住宅ローン残高。
今の家の現実的な売却価格。
売却にかかる費用。
手元に残る資金。
新居の購入価格。
新しく借りる住宅ローン。
毎月の返済額。
そして税金です。
これらを一枚の資金計画として整理すると、
売却先行にするべきなのか。
購入先行でも大丈夫なのか。
住み替えローンが必要なのか。
新居はいくらまでなら買えるのか。
が見えてきます。
私は住み替えで一番危険なのは、
「なんとかなるだろう」
で先に新居を購入してしまうことだと思っています。
今の家が想定より300万円安くなったら?
半年売れなかったら?
新しい住宅ローンの審査条件が想定と違ったら?
売却と購入の決済日が合わなかったら?
ここまで考えて、それでも問題ない資金計画を作る。
そうすれば住み替えのリスクはかなり小さくできます。
そして、もう一つ。
住宅は一生に一度しか買ってはいけないものではありません。
30代で買ったマンションが、50代の生活に合っているとは限りません。
子どもが増えれば広い家が必要になるかもしれない。
子どもが独立すれば広すぎるかもしれない。
仕事が変われば住む場所も変わるかもしれない。
そのときの自分や家族に合った住宅へ住み替える。
私は、それも住宅購入の一つの考え方だと思っています。
だからこそ、最初の住宅を購入するときから、
「将来売れるか?」
「住宅ローン残高より売却価格が大きく下がる可能性はないか?」
「次の人が買いたいと思う物件か?」
という出口まで考えて物件を選ぶことが大切です。
Re・maisonでは千葉市を中心に、住宅購入だけでなく売却も行っているため、
現在の家はいくらで売れそうなのか。
住宅ローンはいくら残っているのか。
次はいくらの家まで買えるのか。
売却先行と購入先行のどちらが合っているのか。
これらをまとめて考えることができます。
「まだ住み替えるか決めていない」
という段階でも問題ありません。
今の家の価値と住宅ローン残高が分かるだけでも、選択肢はかなり見えやすくなります。
住み替えは、
「売る」
「買う」
を別々に考えない。
売却・購入・住宅ローン・税金を一つの計画として考える。
これが、失敗しない住み替えで最も大切なポイントです。











