こんにちは、Re・maison(リ・メゾン)の梅田です。
不動産を購入するときには、物件価格以外にもさまざまな諸費用がかかります。
仲介手数料。
住宅ローン関係費用。
火災保険料。
登記費用。
この中で、お客様から質問をいただくことがあるのが「登記費用」です。
「登記費用って何のお金ですか?」
「司法書士に依頼しないといけないんですか?」
「自分で登記すれば費用を節約できますか?」
「そもそも所有権移転登記って何ですか?」
初めて住宅を購入する方にとって、登記はあまりなじみのない手続きだと思います。
まず結論からお伝えすると、**所有権移転登記を自分で申請することは法律上可能です。**
必ず司法書士に依頼しなければならないというわけではありません。
ただし、私は通常の不動産売買、とりわけ住宅ローンを利用する取引では、司法書士への依頼をおすすめしています。
理由は、登記申請書を作成すること自体が難しいから、というだけではありません。
不動産売買では、売主から買主への所有権移転と、売買代金の支払いを安全に進める必要があるからです。
例えば、買主が売主に3,000万円を支払ったとします。
ところが、所有権移転登記に必要な書類がそろっていなかった。
あるいは、売主の登記上の住所と現在の住所が一致しておらず、事前に別の登記手続きが必要だった。
こうした問題が発覚すると、予定していた決済を進められない可能性があります。
不動産売買では、数千万円という大きなお金が動きます。
だからこそ、単純に司法書士報酬を節約できるかどうかだけで判断することはおすすめしません。
今回は、所有権移転登記の基本から、必要書類、費用、手続きの流れ、本人申請が向いているケースと司法書士に依頼すべきケースまで、不動産売買の実務を踏まえて解説します。

1.所有権移転登記とは?自分で手続きできる?
まず、所有権移転登記とは何かを説明します。
### 所有権移転登記とは?
所有権移転登記とは、不動産の所有者が変わったことを登記記録に反映させる手続きです。
例えば、売主の田中さんが所有している中古マンションを、買主の佐藤さんが購入したとします。
売買契約に従って所有権が移転した場合、登記記録上の所有者も田中さんから佐藤さんへ変更する必要があります。
この手続きが所有権移転登記です。
ここで重要なのは、所有権の移転と登記は同じものではないということです。
所有権は、売買契約の内容や当事者の意思表示などに基づいて移転します。
一方、登記は、その権利関係を公示するための制度です。
不動産については、原則として登記を備えなければ、所有権の取得を第三者に対して主張できません。
そのため、住宅購入では所有権移転登記が非常に重要になります。
### 所有権移転登記は自分でできる?
結論として、自分で申請することは可能です。
法務局では、本人が登記申請を行うための申請書様式や記載例を公開しています。
そのため、
「司法書士に依頼しないと登記できない」
というわけではありません。
ただし、売買による所有権移転登記は、原則として売主と買主が共同で申請する手続きです。
買主が自分で申請したいと考えていても、売主の協力が必要になります。
例えば、売主から登記識別情報や印鑑証明書など、必要な書類を準備してもらわなければなりません。
また、売主の登記上の住所や氏名が現在のものと異なる場合には、所有権移転登記の前に変更登記が必要になることがあります。
このように、本人申請だからといって、買主一人ですべて完結できるわけではありません。
### 登記しなかったらどうなる?
不動産を購入しても、登記をしなければ第三者との関係で問題になる可能性があります。
例えば、売主が同じ不動産を別の人にも売却してしまった場合などです。
こうした権利関係の問題を防ぐためにも、売買による所有権移転登記は、代金決済と連動して速やかに申請することが重要です。
私は、住宅購入における登記を単なる事務手続きだとは考えていません。
**購入した不動産について、買主の権利を守るための重要な手続き**だと思っています。

2.所有権移転登記に必要な書類と手続きの流れ
では、所有権移転登記にはどのような書類が必要なのでしょうか。
ここでは一般的な個人間の不動産売買を例に説明します。
実際に必要な書類は、売主・買主の状況や物件、申請方法によって異なります。
### 売主側で準備する主な書類
売主側では、一般的に次のような書類や情報が必要になります。
- 登記識別情報または登記済証(いわゆる権利証)
- 印鑑証明書(原則として作成後3か月以内)
- 本人確認に必要な書類
- 登記原因証明情報の作成・確認に必要な情報
- 住所や氏名の変更がある場合の関連書類
登記識別情報とは、登記名義人であることを確認するために用いられる情報です。
昔の登記では、登記済証、いわゆる権利証が交付されていました。
現在は登記識別情報が通知される仕組みが基本です。
ただし、古い不動産では登記済証が残っている場合があります。
ここで注意したいのが、権利証や登記識別情報を紛失している場合です。
紛失しているからといって、絶対に売却できないわけではありません。
ただし、本人確認情報の提供など、別の手続きが必要になる場合があります。
この点も、司法書士へ早めに相談したいところです。
### 買主側で準備する主な書類
買主側では、一般的に次のような書類が必要になります。
- 住民票の写しなど住所を証明する書類
- 本人確認に必要な書類
- 登記申請書の作成に必要な情報
- 住宅ローン利用時に金融機関から求められる書類
また、司法書士へ登記申請を依頼する場合には、委任状なども必要になります。
なお、固定資産税の精算書や住宅ローン契約書は、不動産取引の実務上使用することがありますが、すべての所有権移転登記で法務局への添付が必要な書類というわけではありません。
登記に必要な書類と、売買決済に必要な書類は分けて考えることが重要です。
### 登記原因証明情報とは?
所有権移転登記では「登記原因証明情報」という言葉が出てきます。
これは、なぜ所有権が移転したのか、その原因となる事実や法律行為を証明するための情報です。
売買であれば、売買契約の内容や所有権が移転した事実などが関係します。
例えば、売買契約書に、
「売買代金全額の支払いと同時に所有権が移転する」
と定められている場合があります。
この場合には、契約を締結したという事実だけでなく、所有権移転の条件が満たされたことも重要です。
だから登記では、単に売買契約書があれば何でもいいというわけではありません。
契約内容と登記原因が一致している必要があります。
### 所有権移転登記の流れ
本人申請を行う場合、一般的には次のような流れになります。
**ステップ1:登記事項証明書を確認する**
まず、現在の登記記録を確認します。
売主が登記名義人になっているか。
土地や建物の表示に問題がないか。
抵当権などの権利が登記されていないか。
こうした点を確認します。
**ステップ2:必要書類を集める**
売主・買主それぞれの書類を準備します。
書類によっては有効期間があるため、取得時期にも注意が必要です。
**ステップ3:登記申請書を作成する**
法務局の様式や記載例を参考に、登記申請書を作成します。
不動産の表示や登記原因、権利者・義務者などを正確に記載します。
**ステップ4:登録免許税を計算する**
不動産の評価額や適用される税率を確認し、登録免許税を計算します。
住宅用家屋について軽減措置を利用する場合には、必要な証明書なども準備します。
**ステップ5:法務局へ申請する**
対象不動産を管轄する法務局へ、書面またはオンラインで申請します。
申請後に不備が見つかった場合には、補正などの対応が必要になることがあります。
なお、2026年10月5日以降の申請では、新たに登記名義人となる方の国籍等の申出が必要となるため、最新の申請様式を確認してください。

3.所有権移転登記の費用はいくら?自分で行うと安くなる?
所有権移転登記を自分で行いたい方の多くは、費用を節約したいと考えていると思います。
ここで理解していただきたいのが、登記費用の内訳です。
### 登記費用には大きく2つある
登記費用は、大きく分けると、
「登録免許税」
「司法書士報酬」
があります。
登録免許税は、登記を受ける際に納める税金です。
司法書士報酬は、司法書士に登記手続きを依頼した場合に支払う報酬です。
つまり、自分で登記を行えば司法書士報酬を節約できる可能性があります。
しかし、**登録免許税まで不要になるわけではありません。**
ここは間違えないようにしましょう。
### 登録免許税はいくら?
登録免許税は、原則として固定資産税評価額などを基準に計算します。
購入した売買価格をそのまま基準にするわけではありません。
2026年10月時点で、売買による所有権移転登記の主な税率は次のとおりです。
| 登記の種類 | 原則の税率 | 主な軽減税率 |
|---|---|---|
| 土地の売買による所有権移転 | 2.0% | 1.5% |
| 建物の売買による所有権移転 | 2.0% | 一定の住宅用家屋は0.3% |
| 住宅ローンの抵当権設定 | 債権額の0.4% | 一定の住宅取得では0.1% |
軽減措置には適用期限や要件があります。
例えば、土地の売買による所有権移転登記の1.5%という軽減税率は、2029年3月31日までの登記について適用されます。
住宅用家屋の所有権移転登記の0.3%や、抵当権設定登記の0.1%にも、床面積などの条件があります。
また、住宅用家屋証明書が必要になる場合があります。
### 登録免許税の計算例
例えば、中古戸建てを購入したとします。
土地の固定資産税評価額:1,000万円
建物の固定資産税評価額:500万円
この場合、土地の登録免許税が1.5%、建物の登録免許税が0.3%の軽減税率の対象であれば、
土地:1,000万円×1.5%=15万円
建物:500万円×0.3%=1万5,000円
合計:16万5,000円
という計算になります。
※税額の端数処理などを省略した説明用の例です。実際の税額は評価額や適用要件によって異なります。
ここで司法書士に依頼しなかったとしても、登録免許税の16万5,000円がなくなるわけではありません。
節約できる可能性があるのは、主に司法書士報酬の部分です。
### 司法書士報酬はいくら?
司法書士報酬は、依頼する司法書士や手続きの内容によって異なります。
例えば、
所有権移転登記だけなのか。
抵当権設定登記も必要なのか。
売主の抵当権抹消登記があるのか。
住所変更登記が必要なのか。
本人確認のための追加手続きがあるのか。
こうした条件によって費用が変わります。
そのため、
「登記費用は必ず10万円」
といった一律の金額ではありません。
また、見積書に「登記費用30万円」と書かれていても、その全額が司法書士報酬というわけではないことがあります。
登録免許税や証明書取得費用などが含まれている場合もあります。
私は、登記費用が高いと感じた場合には、まず内訳を確認することをおすすめします。
4. 住宅ローンを利用する場合に司法書士が必要な理由
ここからが、不動産売買の実務で特に重要な部分です。
住宅ローンを利用して不動産を購入する場合、所有権移転登記だけではなく、抵当権設定登記も必要になることが一般的です。
### 抵当権設定登記とは?
住宅ローンを利用して不動産を購入する場合、金融機関は購入する不動産を担保にすることが一般的です。
その際に行うのが抵当権設定登記です。
例えば、買主が銀行から3,000万円を借りて中古マンションを購入したとします。
買主への所有権移転登記を行うとともに、銀行のために抵当権設定登記を行うことがあります。
つまり、銀行にとっても、登記が予定どおり行われることは重要です。
### 銀行が司法書士を指定することがある
住宅ローンを利用する場合、金融機関が指定する司法書士、または金融機関が認めた司法書士による手続きを求めることがあります。
理由は、融資実行と担保権の設定を確実に進める必要があるからです。
ただし、すべての金融機関で必ず指定司法書士を利用しなければならないというわけではありません。
取り扱いは金融機関によって異なります。
また、法律上は本人申請が認められていても、金融機関との融資契約上、本人申請が認められない場合があります。
そのため、住宅ローンを利用する方が自分で登記を行いたい場合には、金融機関へ事前に確認する必要があります。
### 売主に住宅ローンが残っている場合
中古住宅の売買では、売主にも住宅ローンが残っていることがあります。
例えば、
売買代金:3,500万円
売主の住宅ローン残高:2,000万円
というケースです。
この場合、売主は売買代金を受け取り、その一部で住宅ローンを完済することがあります。
そして、売主の住宅ローンに設定されている抵当権を抹消する必要があります。
ここで重要なのは、
売主の抵当権抹消。
買主への所有権移転。
買主の住宅ローンに伴う抵当権設定。
これらの手続きを、売買代金の決済と整合するように進めることです。
実際の登記申請には順序があり、関係する金融機関との調整も必要になります。
### 決済当日に司法書士は何をしている?
不動産の決済では、司法書士が売主・買主の本人確認や意思確認を行い、登記に必要な書類がそろっているか確認します。
そして、登記申請を行える状態にあることを確認したうえで、金融機関の融資実行や売買代金の支払いが進められることが一般的です。
ここで一つ重要な点があります。
**決済当日に所有権移転登記が完了するわけではありません。**
通常は決済当日に登記申請を行い、法務局での審査を経て後日登記が完了します。
司法書士は、決済時点で必要な登記を適切に申請できる状態を確認し、取引を進める役割を担っています。
この確認があるからこそ、売主・買主・金融機関が安心して大きなお金を動かせるのです。

5.Re・maisonが司法書士への依頼をおすすめする理由
私は、不動産売買の実務に携わる立場として、通常の売買決済では司法書士への依頼をおすすめしています。
ただし、本人申請そのものを否定しているわけではありません。
### 本人申請が検討できるケース
例えば、
住宅ローンを利用しない。
売主と買主の関係が良好。
権利関係が比較的単純。
登記に必要な書類がそろっている。
スケジュールに余裕がある。
といった場合には、本人申請を検討できる可能性があります。
ただし、現金で購入するから必ず簡単というわけではありません。
売主の登記識別情報がない場合や、相続登記が未了の場合など、別の問題が生じることもあります。
また、親族間売買だからといって、登記手続きを省略できるわけではありません。
### 司法書士に依頼した方がよいケース
私は、特に次のような取引では司法書士への依頼をおすすめします。
住宅ローンを利用する場合。
売主の抵当権抹消が必要な場合。
売主・買主が複数いる場合。
共有持分の売買がある場合。
相続登記や住所変更登記が必要な場合。
法人が売主または買主になる場合。
代理人が契約や決済に関わる場合。
こうした取引では、登記だけでなく、本人確認や権限確認、書類の整合性などが重要になります。
### 司法書士報酬は単なる書類作成代ではない
私は、司法書士報酬を単純な書類作成代として考えない方がいいと思っています。
例えば、不動産売買の決済で重要なのは、
売主が適切な登記名義人であること。
売主に売却の意思があること。
必要な書類がそろっていること。
抵当権などの権利関係を適切に処理できること。
買主への所有権移転登記を申請できること。
こうした点です。
もちろん、司法書士が関与すれば、あらゆるトラブルを完全に防げるわけではありません。
しかし、登記の専門家が確認することによって、手続き上のリスクを減らすことが期待できます。
私は数千万円の不動産を購入する際に、司法書士報酬だけを節約するために、取引全体の安全性を下げることはおすすめしません。
### 登記費用の見積書は確認した方がいい
一方で、司法書士に依頼するからといって、費用の内容を確認しなくていいわけではありません。
登記費用の見積書には、
登録免許税。
司法書士報酬。
登記事項証明書などの取得費用。
その他の実費。
などが記載されていることがあります。
まずは税金と報酬を分けて確認しましょう。
また、住宅用家屋の軽減措置が利用できる場合には、必要な手続きが反映されているかも重要です。
軽減措置は、要件を満たしていれば何もしなくても自動的に適用されるとは限りません。
登記申請の際に必要な証明書を添付しなければならない場合があります。
だからこそ、購入前から登記費用の見積もりを確認することが大切です。
### Re・maisonでは決済までの段取りを重視している
不動産購入では、売買契約を締結したら終わりではありません。
住宅ローンの本審査。
金銭消費貸借契約。
引き渡し日程の調整。
売主の住宅ローン完済手続き。
登記書類の準備。
残代金決済。
こうした手続きがあります。
その中で司法書士は、登記に関する重要な役割を担います。
私は、購入者の方が安心して引き渡しを迎えられるよう、金融機関や司法書士、売主側の関係者との段取りを整えることが不動産会社の大切な仕事だと考えています。
不動産売買は、契約書に署名しただけでは完了しません。
**最後に安全に代金を支払い、所有権を取得し、引き渡しを受けるところまでが不動産取引です。**

6.まとめ|登記費用だけでなく取引の安全性を考える
今回は、所有権移転登記を自分で行うことができるのか、必要書類や費用、手続きの流れについて解説しました。
所有権移転登記は、法律上、本人が申請することも可能です。
そのため、必ず司法書士に依頼しなければならないわけではありません。
ただし、不動産売買では、売主と買主の共同申請が原則であり、さまざまな書類や確認が必要になります。
また、住宅ローンを利用する場合には、所有権移転登記だけでなく、抵当権設定登記が必要になることが一般的です。
売主に住宅ローンが残っていれば、抵当権抹消登記も関係します。
こうした手続きを、売買代金の支払いと整合するように進める必要があります。
私は、通常の不動産売買では、司法書士への依頼が合理的だと思っています。
特に住宅ローンを利用する取引では、金融機関が司法書士の関与を求めることもあります。
一方で、住宅ローンを利用しない単純な取引などでは、本人申請を検討できる場合もあります。
大切なのは、
「自分でできるか」
だけでなく、
「自分で行うことが、その取引に適しているか」
を考えることです。
また、登記費用についても理解しておきましょう。
登記費用には、登録免許税と司法書士報酬などが含まれます。
本人申請を行っても、登録免許税が不要になるわけではありません。
そのため、節約できる金額と、手続きにかかる時間やリスクを比較することが重要です。
例えば、数千万円の不動産を購入する場合。
司法書士報酬を節約できたとしても、登記書類の不備によって決済が延期されれば、売主・買主・金融機関などに影響する可能性があります。
私は、住宅購入では必要な費用と、見直せる費用を分けて考えることが大切だと思っています。
登記費用について疑問がある場合には、まず見積書の内訳を確認する。
登録免許税の軽減措置が利用できるか確認する。
司法書士報酬がどのような業務に対するものなのか確認する。
そのうえで、納得して手続きを進めることをお
すすめします。
Re・maisonでは、千葉市を中心に中古マンション、新築戸建て、中古戸建て、土地の購入についてご相談を承っています。
「所有権移転登記は自分でできますか?」
「登記費用の見積もりが高い気がします」
「住宅ローンを利用すると司法書士は必要ですか?」
「売主の住宅ローンが残っていても購入できますか?」
「登記費用はいつ支払うのですか?」
こうした疑問があれば、住宅購入を決める前にご相談ください。
私は、不動産購入で大切なのは、物件を見つけて契約することだけではないと思っています。
購入する物件の条件を理解すること。
無理のない資金計画を立てること。
そして最後まで安全に取引を進めること。
そのすべてが、後悔しない住宅購入につながると考えています。









