こんにちは、Re・maison(リ・メゾン)の梅田です。
不動産を購入するとき、売買契約書には普段あまり目にしない言葉がたくさん出てきます。
その中でも、土地や中古戸建てを購入する方にぜひ理解していただきたいのが、
「公簿売買」
「実測売買」
「測量」
「境界確定」
「売買代金の精算」
という言葉です。
初めて聞く方も多いと思います。
例えば、土地の販売図面に「土地面積100㎡」と記載されていたとします。
当然、100㎡の土地を購入すると思いますよね。
ところが、実際に測量すると103㎡だった。
あるいは97㎡しかなかった。
こうした場合、売買代金は変わるのでしょうか。
答えは、**売買契約でどのように取り決めているかによって異なります。**
3㎡増えたから追加でお金を払う場合もあれば、面積が変わっても売買代金は変更しない場合もあります。
さらに注意したいのは、
「測量をすること」
と
「実測面積で売買代金を精算すること」
は別の話だということです。
公簿売買でも測量をする場合があります。
反対に、測量図が存在していても、隣地との境界が確定しているとは限りません。
私は土地や中古戸建ての取引に携わる際、売買対象面積だけではなく、境界や測量の状況も重要だと考えています。
特に土地を購入して新築住宅を建てる場合には、わずかな面積や境界の違いが建築計画に影響することもあります。
今回は、公簿売買と実測売買の違いを中心に、測量・境界確定・売買代金の精算について、実際の不動産取引の視点から分かりやすく解説します。

1.公簿売買と実測売買の違いとは?
まず、公簿売買と実測売買の基本から説明します。
### 公簿売買とは?
公簿売買とは、登記簿に記録されている土地面積を基準として売買代金を決め、実測面積との違いによる代金精算を行わない取引方法です。
例えば、
登記簿面積:100㎡
売買代金:2,500万円
という土地があったとします。
この土地を公簿売買で契約した場合、後日測量して実際の面積が103㎡だったとしても、原則として面積差を理由に売買代金を変更しない取り決めになります。
反対に97㎡だったとしても、面積差による精算は行わないという考え方です。
ただし、具体的な権利関係や契約内容に問題がある場合まで、すべて免責されるという意味ではありません。
重要なのは、契約書に何が定められているかです。
### 実測売買とは?
実測売買とは、測量によって確認された面積を基準として売買代金を決める取引方法です。
契約時点で面積が確定していない場合には、いったん基準面積で契約し、測量後に面積差を精算する取り決めをすることがあります。
例えば、
基準面積:100㎡
売買代金:2,500万円
精算単価:1㎡当たり25万円
とします。
測量結果が103㎡だった場合、契約で定めた精算方法に従えば、3㎡分の75万円を追加で支払う計算になります。
反対に97㎡だった場合には、75万円を減額する計算です。
ただし、実測売買だからといって、必ずこの方法で精算するとは限りません。
精算単価や対象面積、測量方法、精算時期などは契約内容によります。
### どちらが一般的なの?
ここで気をつけたいのが、
「土地は実測売買」
「中古戸建ては実測売買」
「新築戸建ては公簿売買」
と、物件の種類だけで決めつけないことです。
実際には、土地や中古戸建てでも公簿売買はあります。
また、確定測量を実施して境界を確認したうえで、公簿売買とする場合もあります。
つまり、
**測量をするかどうかと、公簿売買か実測売買かは、分けて考える必要があります。**

2.公簿売買でも測量は必要?測量と境界確定の違い
ここは非常に重要です。
土地の売買では、
「測量図があります」
という説明を受けることがあります。
しかし、測量図があるからといって、境界に問題がないとは限りません。
### 測量図にも種類がある
土地の図面には、いくつか種類があります。
例えば、
地積測量図。
現況測量図。
確定測量図。
などです。
地積測量図は、法務局に備え付けられている場合がある図面です。
土地の分筆や地積更正などに伴って作成されることがあります。
ただし、古い地積測量図では現在の測量精度や現況と異なる場合があります。
現況測量図は、現地の状況や確認できる境界標などをもとに測量した図面です。
一方、一般に確定測量図と呼ばれるものは、隣接地所有者などとの境界確認を踏まえて作成される図面です。
ただし「確定測量図」という名称だけで内容が一律に決まるわけではありません。
実際に、どの境界について、誰と、どのような確認を行ったのかが重要です。
### 境界標があれば安心?
土地の角に金属のプレートやコンクリート杭などが設置されていることがあります。
これらは境界標です。
境界標があることは重要ですが、
「杭があるから境界は確定している」
とは限りません。
その境界標が何を示しているのか。
測量図と一致しているのか。
隣接地所有者との確認が取れているのか。
こうしたことも確認する必要があります。
また、境界標が見当たらないからといって、直ちに境界が不明というわけでもありません。
過去の測量資料や境界確認書などが残っている場合もあります。
### 公簿売買でも確定測量を行う場合がある
例えば売主が所有している土地について、
登記面積:150㎡
売買代金:3,000万円
という契約を考えます。
売主が引き渡しまでに確定測量を実施する。
ただし、実測面積と登記面積に差があっても売買代金は精算しない。
このような契約もあります。
つまり、
公簿売買=測量しない
ではありません。
むしろ買主としては、代金精算の有無とは別に、境界の状況を確認しておくことが重要です。
### 隣地との境界確認はなぜ必要?
例えば、購入した土地に新築住宅を建てる場合。
境界が明確でなければ、建物の配置や外構工事などに影響することがあります。
また、
隣地の塀が越境している。
屋根が越境している。
配管が越境している。
樹木の枝が越境している。
といった問題が見つかることもあります。
土地の面積が正しいかどうかだけではなく、どこまでが自分の土地なのかを確認することが大切です。

3.実測面積が違ったら売買代金はどうなる?
では、実際に測量した結果、登記面積と違っていた場合はどうなるのでしょうか。
ここは売買契約書の内容が重要になります。
### 公簿売買の場合
例えば、
登記面積:100㎡
売買代金:2,000万円
という土地を公簿売買で契約したとします。
測量結果が105㎡だった場合。
一般的な公簿売買の取り決めでは、5㎡増えたからといって追加代金は発生しません。
反対に95㎡だった場合でも、原則として面積差による減額精算はしません。
ただし、契約内容や売主の説明、面積差が生じた事情などによっては別の問題が生じる可能性があります。
「公簿売買だから何があっても問題ない」
という意味ではありません。
### 実測精算を行う場合
実測精算を行う契約では、基準面積と実測面積との差を、あらかじめ決めた単価で精算します。
例えば、
基準面積:100㎡
売買代金:2,000万円
精算単価:1㎡当たり20万円
という契約の場合。
実測結果が103㎡なら60万円の増額。
97㎡なら60万円の減額。
という計算になります。
ただし、これはあくまで契約でそのように定めた場合の例です。
### 面積が大きく違った場合は?
ここで私が重要だと思うのが、面積差が大きかった場合です。
例えば100㎡だと思って購入する予定だった土地が、測量すると90㎡しかなかった。
この場合、10㎡の違いがあります。
単純な売買代金の差だけではありません。
建築できる建物の大きさ。
駐車場の配置。
庭の広さ。
建ぺい率・容積率の計算。
などに影響する可能性があります。
そのため、実測精算を行う契約では、単価を決めるだけでなく、大きな面積差が生じた場合にどうするかも検討しておきたいところです。
契約内容によっては、測量結果が一定の条件を満たさない場合の対応を取り決めることもあります。
### 代金精算の時期も重要
実測精算を行う場合には、
いつ測量するのか。
いつ面積を確定するのか。
いつ代金を精算するのか。
を確認します。
通常は残代金決済時に精算する取り決めなどが考えられますが、契約によって異なります。
売主・買主の双方が、決済までに必要な資金を把握できるようにすることが重要です。
4. 土地・中古戸建ての売買契約で確認したいポイント
不動産売買契約書には、面積や測量についての条項があります。
ただし、条番号は使用する契約書式によって異なります。
大切なのは第何条かではなく、何が定められているかです。
### ① 売買対象となる土地はどこまでか
まず確認したいのは、売買対象となる土地の範囲です。
例えば、住宅の敷地のほかに、
私道持分。
通路部分。
別筆の土地。
などが含まれる場合があります。
販売図面に記載された面積だけでなく、売買対象となる土地の地番や持分も確認します。
### ② 公簿売買か実測売買か
次に確認するのが、売買対象面積の取り決めです。
公簿面積を基準に代金精算を行わないのか。
実測面積に基づいて精算するのか。
ここを明確にします。
### ③ 測量を誰が行うのか
測量を実施する場合、
売主が行うのか。
買主が行うのか。
費用は誰が負担するのか。
を確認します。
売主負担で行う契約もありますが、必ず売主が負担するという法律上の一律のルールではありません。
### ④ 境界確認はどこまで行うのか
測量を行う場合には、境界確認の範囲も重要です。
民有地との境界。
道路との境界。
水路など公共用地との境界。
こうした境界をどこまで確認するのか。
特に公共用地との境界については、管理者との確認や所定の手続きが必要になる場合があります。
「道路だから立会いは不要」
とは限りません。
### ⑤ 測量が終わらなかった場合はどうするか
実務では、測量が予定どおり進まないこともあります。
例えば、
隣接地所有者と連絡が取れない。
境界について意見が一致しない。
公共用地との境界確認に時間がかかる。
こうした場合です。
そのため契約書では、
測量図の交付期限。
境界確認ができなかった場合の対応。
引き渡し時期への影響。
契約解除の取り扱い。
などを必要に応じて取り決めます。
「測量を行う」とだけ書いてあっても、予定どおり完了しなかった場合の対応が不明確では困ります。

5.Re・maisonが測量と境界を重視する理由
私は土地や中古戸建てを扱うとき、単純に面積だけを確認するわけではありません。
重要なのは、その土地を購入した後に、希望する使い方ができるかどうかです。
### 建物を建てるなら有効面積を見る
例えば登記面積が100㎡の土地でも、セットバックが必要な場合があります。
また、土地の形状や高低差によって、建物を配置できる範囲が限られることもあります。
そのため、
「100㎡あるから希望する家が建つ」
とは限りません。
道路。
境界。
セットバック。
建ぺい率。
容積率。
斜線制限。
高低差。
こうした条件を確認する必要があります。
### 旗竿地は特に注意する
以前の記事でも説明しましたが、旗竿地では接道部分の幅が重要です。
例えば道路に接する通路部分が2mギリギリの場合。
図面上は2mあっても、現地での境界位置が不明確なら、建築計画を進める際に問題になる可能性があります。
そのため、旗竿地では測量図や境界確認の状況を特に慎重に確認します。
また、接道義務を満たしていても、通路の長さや建物の用途・規模、条例などによって別の制限が関係する場合があります。
### 土地を分筆するときにも境界は重要
例えば150㎡の土地を購入して、75㎡ずつの2区画に分ける計画を考えます。
一見すると、単純に半分に分ければいいように思います。
しかし実際には、
接道条件。
敷地形状。
建築可能な建物。
上下水道の引込み。
道路や隣地との境界。
などを確認しなければなりません。
さらに、分筆登記には地積測量図の作成など所定の手続きが関係します。
だから土地の購入では、登記面積だけを見て判断するのではなく、実際にどのような利用ができるかまで確認することが大切です。
### 境界が不明確な土地は売却時にも影響する
今は建物が建っていて、特に困っていない。
だから境界は気にしなくてもいい。
そう考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし将来売却するとき、買主から境界の明示や測量を求められることがあります。
その際に、
境界標がない。
隣地所有者との確認ができない。
越境がある。
測量資料が古い。
といった問題が出てくると、売却手続きに時間がかかる可能性があります。
だから私は、購入時点で境界や測量の状況を把握しておくことが大切だと思っています。
**不動産は、買うときだけでなく、将来売るときのことまで考える必要があるからです。**

6.まとめ|面積だけでなく境界と契約条件まで確認する
今回は、公簿売買と実測売買の違い、測量、境界確定、売買代金の精算について解説しました。
公簿売買は、登記簿上の面積を基準として売買代金を決め、原則として実測面積との差による代金精算を行わない取引です。
実測売買は、測量によって確認した面積を基準に売買代金を決める取引です。
ただし、
公簿売買だから測量しない。
実測売買だから必ず確定測量を行う。
測量図があるから境界は確定している。
と単純に考えることはできません。
大切なのは、
どの面積を売買の基準にするのか。
測量を実施するのか。
境界をどこまで確認するのか。
測量費用を誰が負担するのか。
面積に差があった場合に代金を精算するのか。
測量が完了しなかった場合はどうするのか。
これらを契約前に確認することです。
そして土地や中古戸建てでは、面積だけでなく、その土地に希望する建物が建てられるかどうかも重要です。
例えば、土地面積が100㎡あっても、道路や境界、セットバックなどの条件によって建築計画が変わることがあります。
だから私は、
「登記簿に100㎡と書いてあるから安心」
とは考えません。
その100㎡がどのような土地なのか。
どこまでが売買対象なのか。
境界は明確なのか。
どのような建物が建てられるのか。
将来売却するときにも問題がないか。
そこまで考えて判断する必要があります。
Re・maisonでは、千葉市周辺で土地や中古戸建てを検討している方に向けて、物件価格や立地だけでなく、道路・境界・測量・法令上の制限なども確認しながらご提案しています。
「公簿売買と実測売買はどちらがいいですか?」
「測量図がない土地を購入しても大丈夫ですか?」
「確定測量は売主が行うものですか?」
「登記面積と実測面積が違ったらどうなりますか?」
「境界が分からない中古戸建てを買っても大丈夫ですか?」
こうした疑問があれば、売買契約を結ぶ前にご相談ください。
不動産売買契約書は、単に署名・押印するための書類ではありません。
売主と買主が、何を、どのような条件で売買するのかを明確にするための大切な書類です。
分からないまま契約するのではなく、内容を理解してから契約する。
これが、不動産購入で後悔しないための基本だと私は考えています。










