こんにちは、Re・maison(リ・メゾン)の梅田です。
中古マンションを探していると、築50年、築60年というマンションを見かけることがあります。
「築60年のマンションって、もう寿命じゃないの?」
「古すぎて住宅ローンが組めないんじゃない?」
「購入しても将来売れなくなるのでは?」
「建て替えになったらどうなるの?」
こうした疑問を持つ方も多いと思います。
確かに、築60年を超えるマンションには注意すべき点があります。
建物の老朽化。
旧耐震基準。
給排水管の劣化。
修繕積立金の不足。
住宅ローンの制限。
将来の建て替え。
そして売却するときの資産価値。
どれも購入前に確認しておきたい問題です。
ただ、私は、
**「築60年だから資産価値はゼロ」**
という考え方は正しくないと思っています。
不動産の価値は築年数だけで決まるわけではないからです。
例えば、駅から近く、生活環境が整っていて、管理状態も良いマンション。
築年数が古くても、その場所に住みたいという方がいれば需要はあります。
一方で、築20年程度の比較的新しいマンションでも、立地が不便で管理状態が悪ければ、売却に苦労することもあるでしょう。
私は中古マンションを見るとき、築年数だけで判断するのではなく、
「立地」
「管理状態」
「建物の状態」
「購入価格」
「将来の売却」
を総合的に考えています。
ただし、築60〜70年のマンションについては、一般的な中古マンション以上に慎重な確認が必要です。
今回は、千葉市周辺で中古マンションを取り扱う不動産会社の立場から、築60〜70年のマンションに資産価値はあるのか、購入する場合に何を確認すべきなのかを解説します。

1.築60年・70年のマンションは資産価値がゼロになる?
まず結論からお伝えすると、築60年・70年になったからといって、マンションの資産価値が自動的にゼロになるわけではありません。
なぜなら、マンションの価格は建物の築年数だけで決まるものではないからです。
### マンションには建物と土地の価値がある
マンションを購入すると、専有部分だけでなく、共用部分や敷地についても区分所有権・敷地利用権などを持つことになります。
一般的な分譲マンションでは、敷地の共有持分を所有しているケースが多くあります。
つまり、建物が古くなったからといって、土地の価値までなくなるわけではありません。
ただし、
「土地の持分があるから必ず一定の価格で売れる」
という意味でもありません。
マンションは一戸建ての土地とは異なり、自分の判断だけで建物を解体して土地を売却できるわけではないからです。
敷地の価値をどのように実現できるかは、権利関係や管理組合の意思決定などにも左右されます。
それでも、立地の良いマンションには、築年数が経過しても需要が残る可能性があります。
### 立地の価値は築年数だけでは変わらない
例えば、駅徒歩5分のマンション。
建物は築60年でも、駅までの距離が変わるわけではありません。
スーパー。
病院。
学校。
公園。
商業施設。
こうした周辺環境も、購入希望者にとって重要です。
特に中古マンションの場合、建物が古くても立地を重視して購入する方がいます。
もちろん、駅から近ければ必ず売れるわけではありません。
しかし、将来の売却を考えるうえで立地が重要な要素であることは変わりません。
### 築60年でも売れるマンションはある
千葉市にも、1960年代から1970年代に建築された団地型マンションがあります。
こうしたマンションでも、現在売買されている物件があります。
理由としては、
価格が比較的抑えられている。
生活環境が整っている。
敷地にゆとりがある。
駅や商業施設へのアクセスが良い。
自分好みにリノベーションできる。
といった点が考えられます。
ただし、売買されていることと、将来も同じ価格で売れることは別です。
築60年のマンションを購入するなら、現在の需要だけでなく、10年後、20年後も考える必要があります。

2.築60年のマンションを購入するメリット
築60年というとデメリットばかり注目されがちですが、物件によっては魅力もあります。
### ① 購入価格を抑えられる場合がある
築古マンションの大きなメリットの一つが価格です。
同じエリアの新築マンションや築浅マンションと比較すると、購入価格を抑えられる場合があります。
例えば、築浅マンションでは予算が合わないエリアでも、築古マンションなら購入候補になることがあります。
住宅購入では、立地と予算のバランスが重要です。
「駅から近い場所に住みたい」
「住宅ローンの借入額を抑えたい」
「毎月の返済に余裕を持ちたい」
という方にとって、築古マンションは選択肢になる可能性があります。
ただし、購入価格が安くても、修繕積立金や将来の追加負担が大きければ、総額では割安とは限りません。
### ② 敷地にゆとりのあるマンションがある
昔の団地型マンションには、建物と建物の間隔が広く取られている物件があります。
敷地内に植栽や公園がある。
建物同士の距離が離れている。
駐車場が平置き。
周辺に緑が多い。
こうした住環境は、築古マンションならではの魅力になる場合があります。
もちろん、すべての築古マンションに当てはまるわけではありません。
また、敷地が広いことは管理費用の増加につながる場合もあります。
メリットだけでなく、維持管理の負担も確認したいところです。
### ③ リノベーションで自分好みの住まいにできる
築古マンションを購入して、室内をリノベーションする方もいます。
キッチン。
浴室。
トイレ。
洗面化粧台。
床。
壁。
こうした設備や内装を新しくすることで、住み心地を改善できる場合があります。
ただし、築60年のマンションでは、リノベーション前に確認すべきことがあります。
特に、
給排水管の位置。
床下や天井裏のスペース。
構造上撤去できない壁。
電気容量。
管理規約による工事制限。
などです。
室内をきれいにすることと、建物全体の老朽化問題を解決することは別です。
**リノベーションすれば新築同様の性能になるわけではありません。**
ここは理解しておく必要があります。

3.築60〜70年のマンションで注意したい5つのリスク
ここからは購入前に特に確認してほしいポイントです。
私は築古マンションを購入する場合、メリット以上にリスクを理解することが重要だと思っています。
### ① 旧耐震基準と建物の耐震性
築60年のマンションは、一般的に旧耐震基準の時代に建築された建物です。
現在の新耐震基準は、1981年6月1日以降の建築確認に適用される基準を基本としています。
ここで注意したいのは、単純に完成年月だけで判断しないことです。
1981年以降に完成したマンションでも、建築確認の時期によって旧耐震基準の場合があります。
築60年のマンションを購入する場合には、
耐震診断を実施しているか。
耐震診断の結果はどうか。
耐震補強工事を行っているか。
建物の構造はどうなっているか。
などを確認したいところです。
ただし、
「旧耐震基準だから必ず危険」
と決めつけることもできません。
実際の耐震性能は建物ごとに異なります。
重要なのは、耐震性について確認できる資料があるかどうかです。
### ② 修繕積立金の不足
築古マンションでは、修繕積立金の状況が非常に重要です。
マンションは築年数が経過すると、さまざまな修繕が必要になります。
外壁。
屋上防水。
給排水設備。
エレベーター。
共用廊下。
鉄部。
こうした設備を維持するには費用がかかります。
例えば、修繕積立金が毎月5,000円のマンションがあったとします。
一見すると、毎月の負担が少なく魅力的に見えます。
しかし、将来必要な修繕工事に対して積立金が不足していれば、大幅な値上げや一時金の徴収が必要になる可能性があります。
そのため、
「修繕積立金が安いからお得」
とは限りません。
購入前には、長期修繕計画や修繕積立金の残高、過去の修繕履歴などを確認することが重要です。
### ③ 給排水管の老朽化
築60年のマンションで、私が特に気にするのが給排水管です。
室内のキッチンや浴室が新しくても、共用部分の配管が古いままというケースがあります。
給排水管が老朽化すると、漏水などの問題が発生する可能性があります。
また、配管の更新工事には大きな費用がかかることがあります。
確認したいのは、
共用配管の更新履歴。
専有部分の配管の状況。
今後の更新計画。
漏水事故の履歴。
などです。
特に注意したいのは、配管の所有区分です。
共用部分なのか。
専有部分なのか。
管理規約上どのように扱われているのか。
によって、修繕の方法や費用負担が異なります。
室内がフルリノベーションされているから安心、という判断はしない方がいいでしょう。
### ④ 住宅ローンが利用しにくい場合がある
築60年のマンションを購入するとき、住宅ローンも重要です。
金融機関によっては、建物の築年数や耐震性などによって融資条件が変わる場合があります。
また、住宅ローンの審査では、申込者の年収や勤務状況だけでなく、購入する物件の担保評価も関係します。
そのため、
「年収は十分あるのに希望する金額を借りられない」
という可能性もあります。
特に旧耐震基準のマンションでは、金融機関ごとの取り扱いを確認する必要があります。
ただし、
「築60年だから住宅ローンは絶対に組めない」
わけではありません。
融資の可否は金融機関や商品、物件の状況によって異なります。
だから私は、築古マンションを購入する場合、物件を気に入ってから初めて住宅ローンを考えるのではなく、早い段階で金融機関へ確認することをおすすめします。
また、住宅ローン控除についても、耐震性などの要件を満たさない場合は利用できない可能性があります。
住宅ローンが利用できることと、住宅ローン控除が利用できることは別の話です。
### ⑤ 将来の売却が難しくなる可能性
築60年のマンションを購入して10年間住めば、築70年になります。
さらに20年間住めば築80年です。
ここを考える必要があります。
現在は購入希望者がいても、将来同じような需要があるとは限りません。
また、住宅ローンを利用できる金融機関が限定されれば、購入希望者の資金計画にも影響する可能性があります。
そのため、
「今安いから買う」
だけではなく、
「将来売るときに、どのような買主が購入を検討するのか」
を考えることが重要です。
築60年のマンションを購入する場合、私は一般的な中古マンション以上に出口を意識する必要があると思っています。
4. マンションの寿命と建て替えはどう考える?
築60年のマンションについて、
「あと何年住めますか?」
と質問されることがあります。
これは非常に難しい質問です。
### マンションの寿命は築年数だけでは決まらない
鉄筋コンクリート造のマンションだから、築何年で必ず寿命を迎えるという一律の決まりがあるわけではありません。
建物の耐久性は、
設計。
施工。
使用材料。
立地環境。
維持管理。
修繕状況。
などによって変わります。
例えば、外壁や屋上防水などの維持管理が適切に行われている建物と、長期間修繕が先送りされている建物では、状態が異なる可能性があります。
だから、
「築60年だからあと10年しか住めない」
とも、
「鉄筋コンクリートだから100年大丈夫」
とも断定できません。
重要なのは、その建物の現状を確認することです。
### 建て替えは簡単ではない
築古マンションについて、
「古くなったら建て替えればいい」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、マンションの建て替えは簡単ではありません。
区分所有者が多数いるマンションでは、建て替えに必要な法定の決議や手続きがあります。
2026年4月施行の改正区分所有法では、建て替え決議の多数決要件について、原則として区分所有者数および議決権の各5分の4としつつ、一定の客観的な事由がある場合には各4分の3に緩和する制度が設けられています。
ただし、法律上の決議ができることと、実際に建て替え事業が成立することは別です。
建築費。
解体費。
仮住まい。
所有者の負担金。
事業採算。
合意形成。
こうした課題があります。
特に高齢の所有者が多いマンションでは、建て替え後の住まいや資金負担が大きな問題になることもあります。
そのため、
「将来は建て替えになるから資産価値が上がる」
という期待だけで購入することはおすすめしません。
### 敷地が広ければ建て替えは有利?
昔の団地型マンションには、敷地にゆとりのある物件があります。
こうしたマンションでは、建て替えを検討する際に敷地条件が有利に働く場合があります。
ただし、敷地が広いから必ず建て替えできるわけではありません。
用途地域。
容積率。
建ぺい率。
高さ制限。
現在の建物の規模。
建築費。
所有者の合意。
などによって事業の実現可能性は変わります。
また、建築当時の法令では建てられた建物でも、現在の法令では同じ規模で建て替えられない場合があります。
そのため、建て替えの可能性については慎重に判断する必要があります。

5.Re・maisonが築古マンションの購入前に確認すること
ここまで築60〜70年のマンションについて説明しました。
では、実際に購入する場合、何を確認すればいいのでしょうか。
私は次のような順番で考えます。
### まず立地と購入価格を見る
最初に確認するのは立地と価格です。
駅からの距離。
周辺の商業施設。
病院。
交通手段。
生活環境。
そして周辺のマンションとの価格差です。
築60年というリスクを理解したうえで、価格に納得できるかを考えます。
例えば築20年のマンションと価格がほとんど変わらないのであれば、なぜその価格なのかを確認したいところです。
反対に、立地が良く、価格も大きく抑えられているのであれば、購入候補になる可能性があります。
### 次に管理状態を見る
次は管理状態です。
管理費。
修繕積立金。
長期修繕計画。
大規模修繕履歴。
管理組合の議事録。
給排水設備の更新履歴。
こうした資料を確認します。
特に重要なのは、将来の修繕に対して資金が足りているかどうかです。
管理状態が悪いマンションでは、購入後に予想外の費用負担が生じる可能性があります。
### 耐震性と住宅ローンを確認する
旧耐震基準のマンションでは、耐震診断や補強工事の状況を確認します。
また、購入予定者が住宅ローンを利用する場合には、金融機関へ早めに相談します。
物件によっては、希望する金融機関で取り扱いが難しい場合もあります。
住宅ローンが利用できるかどうかは、購入の可否に直結する問題です。
### リノベーション費用も含めて比較する
築60年のマンションを購入してリノベーションする場合、物件価格だけで判断しないことが重要です。
例えば、
物件価格800万円。
リノベーション費用700万円。
諸費用100万円。
合計1,600万円。
という計画を考えます。
この場合、比較すべきなのは800万円のマンションではありません。
総額1,600万円の住宅です。
同じエリアで築年数の浅いマンションがどのくらいの価格で購入できるのか。
管理費や修繕積立金はどう違うのか。
住宅ローンの条件はどうか。
将来売却するときの需要はどうか。
こうしたことを比較する必要があります。
### 最後に出口を考える
私は築古マンションほど、購入するときから出口を考えるべきだと思っています。
例えば築60年のマンションを購入して15年間住めば、築75年です。
そのときに、
売却できる可能性はあるか。
賃貸として利用できるか。
管理組合は機能しているか。
修繕積立金の負担はどうなっているか。
住宅ローン残高はいくらか。
といったことを考えます。
もちろん、15年後の不動産市況を正確に予測することはできません。
それでも、将来の選択肢を考えておくことには意味があります。
特に住宅ローンを利用して購入する場合には、売却価格がローン残高を下回るリスクも考慮したいところです。
**安く買えたことと、将来損をしないことは別です。**
ここを理解して購入することが重要だと思います。

6.まとめ|築年数ではなく「立地・管理・価格・出口」で判断する
今回は、築60〜70年の中古マンションに資産価値はあるのか、購入する場合の注意点について解説しました。
私は、
「築60年だから買ってはいけない」
とは思っていません。
築年数が経過していても、立地が良く、管理状態が適切で、価格に納得できるマンションなら、購入候補になる可能性があります。
一方で、築60〜70年のマンションには、一般的な中古マンション以上に注意すべき点があります。
旧耐震基準。
給排水管の老朽化。
修繕積立金の不足。
住宅ローンの制限。
将来の建て替え。
売却時の需要。
こうした問題を確認しないまま購入することはおすすめしません。
また、
「安いから買う」
という考え方にも注意が必要です。
例えば800万円で購入できるマンションでも、リノベーションに700万円かかれば、総額は1,500万円になります。
さらに諸費用や管理費、修繕積立金、固定資産税なども必要です。
だから私は、築古マンションを購入する際には、
**「物件価格」ではなく「購入後に必要な費用まで含めた総額」**
で比較することをおすすめしています。
そして、もう一つ大切なのが将来の売却です。
築60年のマンションを購入して10年間住めば、築70年になります。
そのときも購入を検討する方がいるのか。
住宅ローンは利用できるのか。
管理状態は維持されているのか。
こうしたことまで考えて購入する必要があります。
ただし、将来の売却価格を正確に予測することはできません。
だからこそ、購入時点で確認できる情報をできるだけ集めて、リスクを理解することが大切です。
Re・maisonでは、千葉市周辺で中古マンションを検討している方に向けて、築年数だけではなく、立地・管理状態・住宅ローン・リノベーション費用・将来の売却まで含めてご提案しています。
「築60年のマンションを購入しても大丈夫ですか?」
「旧耐震基準でも住宅ローンは組めますか?」
「築古マンションをリノベーションしたい」
「修繕積立金が安いマンションはお得ですか?」
「将来売却できるか心配です」
こうした疑問があれば、購入する前にご相談ください。
私は、築年数が古いこと自体が問題なのではなく、
**「古いことによるリスクを理解しないまま購入すること」**
が問題だと思っています。
住宅購入で大切なのは、安く買うことだけではありません。
購入後も安心して生活できること。
そして将来、生活環境が変わったときにも選択肢が残っていること。
そこまで考えて中古マンションを選ぶことが、後悔しない住宅購入につながると私は考えています。









